(写真提供=SPORTS KOREA)

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興味深いアンケートがある。

韓国大手新聞『東亜日報』が行ったアンケートで、「何歳から老人と見るか」というものだ。20代から60代以上の600人を対象にした同アンケートによると、韓国人の半分(48.7%)は「70歳から老人」と考えるという結果が出た。

韓国では65歳になると“敬老優待”の資格が与えられ、地下鉄がフリーパスになったりするのだが、この65歳という年齢設定は、平均寿命が50代半ばだった1950年頃に決められたもの。今回の結果は、65歳よりも5歳上という結果だ。

一方で、法的な意味の高齢者の年齢基準を70歳に引き上げるという点に対しては、賛成(38.7%)と反対(37.2%)が拮抗する結果になった。今後も議論が続きそうな結果だ。

日本よりも深刻な韓国高齢者問題

こういった議論がなされているのは、韓国でも高齢者の人口比率が伸びているからに他ならない。

韓国の65歳以上の人口は707万5518人(2017年推計)で、全人口の13.8%となる。

一般的に、高齢者人口の比率が7%〜14%を「高齢化社会」、14%〜21%を「高齢社会」、21%以上を「超高齢社会」と呼ぶそうだが、韓国もいよいよ高齢化社会となっているわけだ。

日本はすでに超高齢社会に突入しているが、韓国の少子高齢化はそれ以上に問題視されている。イギリスのオクスフォード人口問題研究所などは、「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」と指摘したほどだ。
(参考記事:「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」…3年後に迎える“人口絶壁”の原因は

近未来ではなく今現在の問題も少なくない。

世界の高齢者たちの生活環境を比較調査している「ヘルプエイジ・インターナショナル」のデータを見ても、客観的に韓国の高齢者問題が深刻なのはよくわかる。

代表的なのは、高齢者の貧困率の高さだろう。

韓国は経済協力開発機構(OECD)の主要加盟国のなかで、高齢者貧困率が最も高い。OECDの資料によると、日本は19.0%だが、韓国は49.6%というのだから驚きだ。

貧困率の高さは、自ら命を絶つという最悪な方向に向かってしまっている。

そもそも韓国は自殺率が高いとされているが、その原因の少なくない部分は高齢者によるものなのだ。日本も数字が低くないが、自殺する原因には日韓で大きな差があるらしい。

生活環境が苦しいためか、高齢者による犯罪も増加中だという。

高齢“犯罪者”は40%も増加

韓国法務部が発表する高齢者犯罪現況資料によると、60歳以上の犯罪者は2010年に15万5171人だったが、2014年は21万6313人と39.4%も増加。

人口に占める高齢者の比率が高くなったため、一概にはいえないとはいえ、2013年は強行犯罪だけで7万7000件に上っていることは問題視せずにはいられない。

より日常的なところでもささいなトラブルが起きているという。電車や地下鉄の優先席のトラブルだ。

韓国の地下鉄は混雑や事件が多いため、若者たちは“地獄鉄”などと揶揄しているが、優先席トラブルも深刻。韓国では、若者が高齢者に席を譲るのが常識化しており、もし譲らなかったら周りから冷たい目で見られてしまう。

過去には席を譲らない若者が居合わせた乗客たちからあからさまに非難を浴びるほど、若者と高齢者の間でトラブルが多かった。

しかし最近は65歳以上の高齢者同士のケンカが後を絶たないという。2014年にソウル市内の地下鉄で発生した優先席トラブルは219件で、2011年の倍以上に増えたらしい。

いずれにしても高齢者問題が表面化するなかで、「70歳からが老人」という雰囲気が出てきた韓国。『東亜日報』のアンケート調査にふれた韓国ネット民たちは、「年金の支給時期を引き上げようという意図が見える」と口を揃えているが、問題が山積していることだけは間違いないだろう。

(文=慎 武宏)