摘出された自分の心臓に感謝を述べる女性(出典:http://www.facebook.com/lisa.flanigansalberg)

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このほどアメリカで肥大型心筋症協会の創設者である女性が心臓移植の手術後に摘出された自分の心臓を両手で抱き上げ、感謝の気持ちを伝えたことが話題になっている。『ABC News』などが伝えた。

今月3日に米ニュージャージー州の病院で8時間もの心臓移植手術を無事に終えた女性がいた。彼女の名はリサ・フラニガン・サルバーグさん(48歳)。遺伝性による肥大性心筋症のため心筋が厚くなり、全身に血液を十分行きわたらせることができない状態だった。

病は彼女が12歳の時に、学校の健康診断で心雑音があったことから発覚した。以来リサさんは病気と闘ってきた。しかしリサさんの姉妹であるローリさんは、同じ病気で20年前に亡くなってしまった。

ローリさんの死はリサさんにとって耐え難い悲しみであったが、リサさんは同じ病に苦しむ人達のため1996年に国際組織として肥大性心筋症協会をニュージャージー州デンヴィルに創設し、この病について情報を提供するなどの活動を始めたのだ。

しかし病はリサさんの体をどんどん蝕んでいく。昨年9月には病状が進行し、一刻も早い心臓移植が必要な状態になった。そして11月23日、移植手術待機リストに載ったという電話連絡を受けた。その後ようやく今年2月に適合する心臓が提供され、移植手術を受けたのである。

リサさんは手術前に「摘出した私の心臓を保管しておいて欲しい」と執刀医師にお願いしていた。

手術が無事終わった後、リサさんは自分の心臓を医師から渡され、大事に両手で抱き「あなたは私のために48年間一生懸命、動いてくれました。ありがとう」と言葉をかけた。そして自身の心臓について「本当にどっしりとした重さに、私の心は打たれました。私たちは48年間、友人でした。さよならを言うことが出来て嬉しかった」と語っている。

ちなみに米名門病院クリーブランド・クリニックの調べによると、アメリカでは500人に1人がリサさんと同じ病に苦しんでいるとのことだ。リサさんはこの病に苦しむ人が少しでも減ることを願って、自分の心臓を教育のツールとして活かされることを望んでおり、彼女の心臓は移植手術の4日後に冷凍保存された。

これほどの大きな病気を抱えていたにもかかわらず肥大性心筋症協会の創設者としてのリサさんの功績は高く、過去二度もホワイトハウスに招待されている。

出典:https://www.facebook.com/lisa.flanigansalberg
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)