完成まで128時間、「世界にひとつだけのスーツ」を仕立てる悦び

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麻布テーラークレストをヒモ解く数字

3,863種 ──サロンで取り扱うスーツの生地数

2016年のシーズン終了時点で、イチロー選手が放った大リーグ通算安打数は3,030安打となっている。
 
別世界ながらも、その数字に似かよっているのが「麻布テーラークレスト」が持つスーツの生地数だ。一見何の関連性もないように思える両者の共通点は意外と多い。「頂上(Crest)」を目指すというスタンスは、ビスポーク界のトップを目指すべく立ち上がった、クレストのマインドそのものといえる。

採寸から型紙製作、縫製といったスーツ作りの工程をすべてひとりで行う、日本でも数少ない職人によるオーダーのスーツは、3,863種にもおよぶ多様な生地のなかから厳選して作られていく。ロンドン、ナポリ、ミラノ、そして日本。カスタマーが選んだものを丹念に作り上げていくという作業は、日々の鍛錬を重要視するイチロー選手とやはりどこか重なる。
 
日本が誇る天才打者は、あと何年現役を続けるのだろうか? 彼の安打数がクレストの持つ生地数に並んだとき、「麻布テーラークレスト」も世界に名を馳せるブランドになっているかもしれない。

生地は三大生産国から抜粋

麻布テーラークレストでは、「ロロ・ピアーナ」「エルメネジルド・ゼニア」「ドーメル」といったイタリア、英国の有名メーカーだけでなく、クレストオリジナルの日本製や、デッドストックなどの希少な生地も数多く取り扱っている。

スーツを作る際に重要視される生地の質感は、生産される土地によって大きく異なってくる。乾燥したヨーロッパと多湿な日本では、糸が含む水分量などによって、生地の硬さや肌触りに差異が生じる。それらを計算し「世界にひとつだけのスーツ」を仕立てる悦びがここにある。

1,581種/イギリスメーカーの生地は、しっかりと織られていて、耐久性に優れ、シワになりにくいのが特徴。バンチブック以外にも、業界一と言われるデッドストックの反物も揃えている。

2,074種/イタリアメーカーは、最も豊富に取り揃えられている。生地が柔らかく艶が出るうえ、滑らかな肌触りが人気の秘密。芯地にこだわるクレストの手にかかれば、格段の着心地になる。

208種/良質でありながら、コストパフォーマンスが高い日本製。多湿な地で織られた生地は、表面がしっとりしていて、スーツを仕立てたときに全体に柔らかな印象を与えてくれる。

銀座の一等地に軒を構える店舗は、顧客たちの憩いの場として親しまれている。全面鏡張りのエントランスをくぐると、まるで”古き良き時代”にタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。

カウンターに並ぶ趣のあるチェス盤やアンティーク調の地球儀は、ここがグッドセンスな場所である証し。クラシカルな英国哲学とラグジュアリーなイタリア文化の融合が垣間見える空間には、紳士と洒落者が集い、エスプレッソやイングリッシュティーを飲みながら、ライフスタイルを語らい、オーダーを楽しむ日常がある。


スリーピーススーツ387,000円、シャツ24,000円(ともにオーダー価格、アザブテーラークレスト/麻布テーラークレスト03-3562-0677)、タイ15,000円(ブルーステラ/ナガイコーポレーション06-6790-7372)

<数字で知る麻布テーラークレスト>

-銀座4-2-2
店舗の所在地。「麻布テーラークレスト」は、エグゼクティブが集う場所。フルオーダーは221,000円〜。営業時間11:00〜20:00。来店は予約優先。


-27パーツ
多くの顧客を抱えるクレストでは、現在フルオーダーのベースとなる型紙の数は27枚にものぼる。内訳は、ジャケット10、パンツ11、ベスト6。店頭には貴重なサンプルが数枚並べられている。


-101冊
3,863種の生地見本を納めたバンチブックは、色、柄、産地によって細かく分けられている。中には貴重なデッドストックもあり、見るだけでも価値がある。店内の一角がまるで本棚のように活用されている。


-128時間
採寸から型を起こし、縫製が完了するまでの平均作業時間。1着のスーツに対し、一日8時間向き合ったとしても16日間かかる計算となる。出来上がったものはフィッティングを経て、カスタマーに納品。