新潟県糸魚川市の水力発電所の位置を示した地図。赤い四角が、今回作られる新しい発電所の位置である。(図:デンカ/北陸電力発表資料より)

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 北陸電力とデンカの共同出資会社である黒部川電力は、数年前から調査・検討が行われていた黒部川における新たな発電所の建造を正式に決定、発表した。黒部川姫川水系の河川水を活用するもので、最大出力2万7,500キロワット、年間約8,500万キロワット毎時の発電量を見込む。

 水力発電は、少なくとも現状においては、もっとも有力な再生可能エネルギーである。日本での発電総量に占める水力の割合は、経済産業省エネルギー庁のエネルギー白書2016によれば、約9%。他の再生可能エネルギーは全部足して3.2%程度であるので、再生可能エネルギーの中では圧倒的であるといえる。

 ただ、水力発電は、どちらかといえば枯れた技術である。クリーンであるのはいいが、「地球の温暖化が問題なので、再生可能エネルギーを推進しましょう」と言われたからといって、じゃあ水力発電所を増やしましょうとそう簡単に増やせるものではない。単純な問題として、水力発電のためには、相応の立地が必要だからだ。

 話によると、ブラジルの電源構成は、実に74%を水力発電が占めているという。別にブラジル国民が格別環境に対する高い意識を持っているからではなく、ブラジルにはアマゾン川があるからであろう。

 日本はというと、1960年代までは、電力全体で見て水力発電が主力であったという。だが、1975年の黒部ダムの建設を境に、日本の電源構成に占める水力の割合は下落傾向にある。

 これも、日本人の環境意識の問題ではなく、単に「ダムを作れるような場所がもうほとんど残っていない」ということであろうと思われる。

 そこへ、今回の発表である。着工は2018年、送電開始は2022年4月予定。名前は「新姫川第六発電所」になるという。なお、この発電所は既存の姫川第六発電所に隣接して建てられるもので、新たなダムを建造するわけではない。従ってこの発電所のために村が沈んだりはしないので、そこのところはご安心いただきたい。