わが子に友達がいない4つの理由と対処法

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わが子が幼稚園や学校で、どうも友達がいないようだ…友達作りが苦手なようだ…と、悩んでいる親御さんも中にはいるのではないでしょうか? そんなとき、親はどう対処したらいいのでしょうか? 教育評論家の親野智可等先生にお話しを伺いました。

●友達がいない理由は、4つのタイプに分けられる

「親御さんとしては、わが子に友達がいない…というのは不安になってしまいますね。しかし、まずは冷静にお子さんをよく観察して、わが子の友達関係の実情を把握しましょう。実は、“友達がいない”という理由は、4つのタイプに分かれるんです」(親野先生 以下同)

【タイプ1】

友達が欲しいのになかなかできない。しかし、特に避けられていないようだ。

【タイプ2】

友達が欲しいのになかなかできない。どうも避けられているようだ。

【タイプ3】

もともと友達と一緒にいるより、一人でいるほうが好き。しかし、必要に応じて友達と遊んだり協力して活動したりすることはできる。

【タイプ4】

そもそも友達を欲しがらない。一緒に遊んだり、協力して活動したりする気もない。

【タイプ1の場合は…】

「そんなに問題はありません。人見知りでうまく声がかけられない、入っていけないというタイプ。そういう場合は、担任の先生に頼んで、例えばクラスでリーダーシップのある子や、ウマが合いそうな子に休み時間などに誘ってもらえるように頼んでみるといいでしょう。もともと避けられていませんし、きっかけがあれば入っていけます。友達もできるでしょう」

【タイプ2の場合は…】

「これは、何か友達に避けられてしまう理由がありそうです。それは例えば、言葉が悪くて一緒に居て楽しくないとか、すぐ手が出てしまうとか、身だしなみがきちんとできていない…など。そういうことは、親御さんが先生などにも相談したりしながら原因を探り、時間はかかるかもしれませんが、その原因を少しずつ改善していくようにサポートしてやりましょう」

【タイプ3の場合は…】

「こういう子は、まったく問題ありません。ひとりで本を読んだり、絵を描いたりするのが好きだけれども、例えば先生が“班学習をしましょう”と言えば、ちゃんと協力してできる。これは、その子の個性なので問題ありません。親御さんも“お友達と遊んだほうがいいんじゃない?”など、特に心配して言う必要もないでしょう。そのまま見守ってあげてください」

【タイプ4の場合は…】

「このタイプのお子さんは、よくお子さんを観察して、まったく友達と関わろうとしない極端な場合は、“発達障害”の疑いも考えられますので、専門医や臨床心理士に相談してみたほうがいいかもしれません」

以上のように、まずはわが子がどのタイプに相当するのかを知って、それに応じた働きかけをすることが大切だという。そして、友達力をつけるのには“ロールプレイ”という方法も効果的だそう。

「親子で友達同士のやりとりの様子を演技して家で練習するんです。例えば、Aくん役のパパが『トランプ面白いね。さあ、配り終わったから始めるよ』と言い、Bくん役のママが『ジャンケン、ポン。やった、ぼくからだ』と言います。そこへ、本人役の子どもが『楽しそうだね。ぼくもやりたい』とか『○○君、ぼくも入れて』など、実際に声を出して言う練習をします。慣れてきたら、想定外の言葉への切り替えし方など、様々なパターンを練習しておくとより効果的です。例えば、『もう始まってるから無理だよ』と言われたと想定して、『じゃあ、ここで見て応援してるよ』とか『じゃあ、この次は入れてね』などと切り返す練習です。子どもにいくら『〇〇くんに、仲間に入れてって言いなさい!』と、口で言ってもなかなかできるものではないんですね。だから、実際に声に出してその言葉を言う練習をすることが大切です」

●“友達力”がある子とは、友達と仲良くできる力と、一人でいる力。その両方のバランスがうまく取れる子

このように、友達との関係を調整する力“友達力”はとても大切としながらも、親野先生は実は“もうひとつ大切なことがある”と、最後に説きます。

「“友達力”は、友達と仲良くできる力とは限りません。実は、一人でいる力も含むんです。友達と仲良くする力と、一人で居ても平気な力。この両方があってこその“友達力”なんですね。なぜなら、友達が一緒じゃないとダメ…というのは、友達に依存してしまっているということです。しかし、一人で居ても平気だし、友達に頼らなくても充実した時間を過ごせるという子はやはり強いんです」

このように“自分のワールドが持てる”ようにしなければならないのは、こんなケースにもなりかねないからだという。

「例えば小学校高学年くらいになって、クラスのある子が『クラスの〇〇いじめちゃおうよ』なんて言い出したときに、友達に依存している子は、“いじめないと自分も仲間に入れてもらえないからボクもいじめちゃおう”となってしまうのです。こういうときにも、一人で居られる子なら『ボクは入らないよ』と、言える。こういう力は、大人になってもとても大事なのです」

友達関係というと、つい“友達と仲良くする力”にばかり目が行きがちですが、“一人で居られる力”も大事な要素なのですね。まずはお子さんの“友達がいない理由”のタイプをしっかり把握し、そのうえでタイプに相当する働きかけをすることからはじめてみましょう。

(構成・文/横田裕美子)