『全部、言っちゃうね。 〜本名・清水富美加、今日、出家しまする。〜』(幸福の科学出版)

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 2月12日、フジテレビ系列で放送された『ザ・ノンフィクション』。取り上げられていたのは、性同一性障害を持つ地下アイドル「きらら」さん。38歳の彼女は、体は男性だが心は女性。極貧の中で、地下アイドルという存在に出会い、自らを表現するためにその世界に身を投じていた。

 なぜ彼女がステージに立とうとするのか。その理由が「しっくりくるから」だった。

 同じ日、女優の清水富美加が、芸能界を引退し「幸福の科学」に出家すると発表、大きな話題となった。

 彼女にとって「しっくりくる生きかた」とは、一体どのようなものだったのだろう。

 私が清水富美加を知ったのは、2010年。ちょうど彼女が「週刊ヤングマガジン」「週刊少年マガジン」(ともに講談社)の2誌で主催されているグラビアコンテスト「ミスマガジン」で入賞し、同じ事務所だった菊地亜美や大川藍らとともに「LPG」というユニットを作った頃だ。当時の彼女の印象は、とにかくハイテンション。イベントなどで人前に出たときも、とにかくテンション高くその場を盛り上げていた。

 その頃のブログのタイトルは「清水のみなぎるブログ」。名前の通り、綴られる文章からも“みなぎる”勢いが感じられ、それがとても心地よかった。

 そんな彼女も、女優として花開き、最近ではかなり落ち着いた雰囲気をまとうようになっていた。昔から彼女を見ていた私としては、とてもいい年の重ね方をしているな、と感じていた。

 だから、今回の騒動には本当に驚かされたし、何か釈然としない気持ちが拭い去れない。

 テレビやネットでは、「所属事務所 vs 宗教団体」といった主張の対立が報じられているが、個人的にはあまり取り上げられていない視点があることが気になっている。それは“清水富美加のファンの思い”だ。

 正直、食い違い見せる事実関係について、私はどちらの味方をするつもりもない。お互いが思い違いをしているのかもしれないし、どちらかが嘘をついているのかもしれない。

 ただ、本人とファンの間にある気持ちだけは、嘘をついて欲しくないと思う。

 教団や本人のコメントにある、「休みなく働いて月収5万円」「毎日がギリギリの状態」というのも気になるところだが、一番ショックだったのは「水着やブルマの着用など、性的対象にされる仕事を無理強いされた」という点だ。

 私は、2011年に発売された彼女のグラビアDVDを持っているし、発売イベントにも行った。イベントでの彼女は、DVDを出したことが嬉しそうで、ずっと屈託のない笑顔でいたことが印象に残っている。

 また、作品の中でも、そこに映された彼女は楽しそうだ。本編もさることながら、特典映像のオフショットで、撮影の感想を聞かれ、「とにかくハッピーだった」と繰り返す姿は、とても幸せそうで、それが撮影用の顔だとはどうしても思えないのだ。

 本当に彼女が、嫌々この作品に出ていたのだとしたら、ファンとしては正直悲しい。イベントや作品を通して彼女と共有してきた時間までもが嘘であったように感じてしまうからだ。

 一体、彼女の本当の気持ちはどこにあるのだろう。誤解や、思い違いや、信仰心によるフィルターを無くして、正直な思いを知りたい。

 そして、ファンとともに過ごした時間が、彼女にとっても幸せであったことを願いたい。

 最後にもうひとつ。

 辛かった彼女を救ったのが、私たちファンの力ではなく、信仰だったということが、少しだけ悔しい。それもまた正直な気持ちだ。
(文=プレヤード)