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●すべてのプランで3日間の通信速度制限を撤廃
楽天が展開するMVNO「楽天モバイル」の新キャンペーンが15日、発表された。「1人契約するともう1人無料」をうたっており、通話SIM5GB以上のプランと楽天でんわ5分かけ放題by楽天モバイルを申し込むことで2回線目の月額基本料金が最大1年間無料、または割引になる。また、国内電話が月額1,980円でかけ放題となるトライアルサービスを先着100名で実験的にスタートする他、3月1日よりすべてのプランで3日間の通信速度制限を撤廃する。

この他、楽天モバイルショップの開通作業の自動化による高速化と、Huawei製のスマートフォン「honor 8」に新色「サクラピンク」と「ミッドナイトブルー」を追加することなどが発表された。

春に向けて攻勢を強める楽天モバイル。その会見の模様をレポートする。

●「1人契約するともう1人無料」キャンペーンをスタート
今回の発表会で目玉となったのは、楽天モバイルで一人契約すると2回線目の月額基本料金が無料になる新キャンペーンだ。

発表会に登壇した楽天 執行役員の大尾嘉宏人氏は、春になると各社が始める「学割」キャンペーンに言及し、「学割というとU18、U25という常識がある。しかし春に年齢制限はない。私にも皆さんにも春はくる」と熱弁。キャンペーンの対象を「無制限」とすることを明らかにした。

キャンペーンの中身については、現場に足を運び、1月からスタートしたデータシェアプランの反響を探ったという。

データシェアプランは、データ通信量の前月繰越分を翌月に契約者間(最大5回線)で分け合えるというサービスだ。たとえば10GBプランと3.1GB、ベーシックプランという3回線を家族で申し込んでいたとする。このとき、10GBプランで3GB分のデータ通信量が残ったなら、翌月はその3GB分を繰り越してメンバー全員で分け合えるのだ。

本来、ベーシックプランは「データ通信量無制限の代わりに低速通信専用」という制約があるが、こうして繰り越した分は高速通信が可能になるというメリットもある。

このデータシェアプランをスタートしてからの申込み状況だが、全体の34%のユーザーが2人同時に申し込んでいたとのことで、さらに1グループあたりのデータシェア人数は平均2.3人だったとのこと。

データシェアは最大5人まで可能なため、大尾嘉氏は「3〜4人が平均だと思っていた」そうだが、結果は「2人」という数字がスイートスポットとして浮き彫りになったわけだ。

ここで大尾嘉氏はあるひらめきを得たという。

「ドミノ・ピザに1枚買うともう1枚無料になるキャンペーンがあります。あれにヒントを得ました」

データシェアの平均人数は2人、そしてドミノ・ピザのキャンペーン。これらをもとに楽天モバイルが打ち出した新たなキャンペーンは、「1人契約するともう1人無料」という内容だった。

ちなみにこのプランの話をドミノ・ピザにしたところ、まさかのコラボキャンペーンがスタートすることになったという。楽天モバイルに2人以上契約している場合のみ、コカ・コーラ1.5Lがもらえるクーポンが配信されるとのことだ。

さて、この「1人契約するともう1人無料」キャンペーンについて詳しく説明していこう。

楽天モバイルには、月間データ通信量が3.1GB、5GB、10GB、20GB、30GB、そして無制限だが低速通信専用のベーシックプランという6つのプランがある。

このうち、キャンペーンの対象となるのは、契約者の1人目が5GB以上の通話SIMプランを申し込み、さらに楽天でんわ5分かけ放題by楽天モバイルをオプションでつけた場合だ。

この場合、2回線目が無料、または割引になるわけだが、このときの割引率は1回線目のプランによって変わってくる(2回線目以降はプランの縛りはない)。

・1回線目5GBプラン(2,150円)なら……2回線目はベーシックプラン相当分(1,250円)が半年無料
・1回線目10GBプラン(2,960円)なら……2回線目はベーシックプラン相当分(1,250円)が1年無料
・1回線目20GBプラン(4,750円)なら……2回線目は5GBプラン相当分(2,150円)が1年無料
・1回線目30GBプラン(6,150円)なら……2回線目は10GBプラン相当分(2,960円)が1年無料

つまり、1回線目でデータ通信量の多い高額なプランを選べば、2回線目の割引率も上がるというわけだ。1回線目を5GBで契約し、2回線目を無料で30GBプランにする、みたいなことは当然できない。

さらに、このキャンペーンは3回線目以降にも無限に適用されることが追加で発表となった。

たとえば1回線目で10GBプランを契約し、2回線目で5GBプランを契約する。この場合の割引率は「ベーシックプラン相当分が1年無料」なので、2回線目の月額料金は2,150円からベーシックプラン分の1,250円を引いた「900円」となる。

ここに3回線目を5GBプランで追加すると、ここにも「ベーシックプラン相当分が1年無料」が適用されるため、月額料金は2,150円からベーシックプラン分の1,250円を引いた「900円」となるのだ。

ポイントは、何番目の回線であっても割引率は1回線目のプランで決まるということ。

つまり、1回線目を10GBプラン(2,960円)以上にして、残りをベーシックプラン(1,250円)にすれば、2回線目以降はすべて月額料金は1年間無料ということになるわけだ(実際にはここに5分かけ放題850円が1回線につき乗ってくるので注意)。

ただし、一つ注意しないといけないのは、データシェアが「申込みの翌月から」ということ。ベーシックプランは前述の通り、動画を見るにはちょっと辛いレベルの低速通信となるため、Wi-Fiなど以外で高速通信をしたければ1回線目からのデータシェアが可能になる翌月まで待たなければならない。「5GBプランとベーシックプランで家族でデータシェアしよう!」のような場合は、最大で1ヶ月待つことになるのだ。

一応、対策として楽天モバイルではデータ容量を追加するオプションも用意しているため、どうしても必要であれば申し込み月はそれで凌ぐという手もある。

楽天モバイルのもう一つの売りが、楽天市場のSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象になっていることだ。楽天カードの利用や楽天市場アプリでの買い物といった条件を満たすと最大で7倍の楽天ポイントが獲得できるが、さらに楽天市場で27,000円の買い物をすることで2回線目を貯まったポイントで支払えるのだ。普段から楽天市場をよく利用しているなら、楽天モバイルはポイントの有効な使い道となるだろう。

●かけ放題トライアルや3日間通信速度制限の撤廃も
この他にも、発表会ではいくつかの新たなキャンペーンやサービスの拡充が発表された。

まずは「楽天でんわ かけ放題トライアル」だ。

すでに楽天でんわの5分かけ放題はサービスとして提供されているが、新たに3月1日より国内通話が時間制限なしで行える「かけ放題トライアル」を先着100名限定で1年間行うという。月額料金は1,980円。あくまで期間限定のトライアルなので、今後正式にサービス化するかどうかはわからないとのことだ。

さらに、3月1日より「3日通信速度制限の撤廃」を行うという。これまでは1ヶ月のデータ通信量に加えて、3日間で通信できるデータ容量が決まっており、これを超過すると速度制限がかかっていた。20GB、30GBにおいてはもともと制限がなかったのだが、3月1日からは3.1GB、5GB、10GBのすべてのプランにおいて制限が撤廃されるというわけだ。

また、リアルチャネルを強化し、3月末時点で楽天モバイルショップを130店舗以上に拡大する予定だという。

契約時の待ち時間短縮にも取り組む。これまで、専用端末を置いている大型ショップ以外はユーザーの開通作業を「お客様開通センター」で行っていたが、これを自動化することで待ち時間の短縮を図るとのことだ。

自宅出張申込サービスについても通常8,300円で行っていたが、これを4月28日まで無料化する。

端末にもカラーバリエーションが追加。Huawei製のスマートフォン「honor 8」に新色「サクラピンク」と「ミッドナイトブルー」が加わる。店舗では21日より販売。ウェブではすでに受付が開始されている。

(山田井ユウキ)