お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、製作会社勤務の坂本レイナさん(仮名・31歳)さんから。

「ひとり暮らしを始めようと思っています。30平米くらいの物件を探しているのですが、光熱費ってどれくらいかかるんでしょうか。また、はじめてのひとり暮らし物件探しなので、お金にまつわることで知っておいたほうがいいことを教えてください」

森井じゅんさんに教えていただきましょう。

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初期費用と以降にかかる費用を総合的に見ることが大切

ひとり暮らしのコストを考える場合、初期費用とその後の家賃や生活費は総合的に考える必要があります。例えば初期費用をコンパクトにすればランニングコストがかかる、逆もしかりです。それぞれ単独では判断できるものではないのです。

ひとり暮らしをスタートするときにかかる費用は、大きく分けて3つあります。部屋を借りる費用、引っ越し費用、そして、家具・家電の購入費用です。ひとつひとつ見ていきましょう。

賃貸契約だけで家賃6か月分の費用がかかる

新生活のスタートでの大きい支出は、賃貸契約にかかる費用です。新しい部屋を借りる費用として、目安として家賃の6か月分の費用を用意しておく必要があります。内訳としては敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・火災手数料・鍵交換代などです。

ちなみに、少し前までは敷金2か月分・礼金2か月分・仲介手数料1か月分というのが一般的でした。しかし最近では、敷金礼金のパターンもいろいろあり、仲介手数料も低くなっている物件も多いです。敷金、礼金が0を売りにした物件や、仲介手数料がかからない物件もあります。一見おトクに見えるそういった物件は、初期費用が低く入居しやすい反面、相場より家賃が高めに設定してあったり、他の名目で費用がかかったりする場合も。入念なチェックが必要です。

物件は全体的な費用を計算して判断

たとえば、6万円の物件と6万5千円の物件。前者が礼金2か月で後者が礼金なし! と出ていた場合、「礼金なし」の物件のほうが魅力的に見えませんか? しかし、更新までの2年間でみると、どちらも支払う額は同じです。しかも、更新料は家賃が基準となることが多いので、礼金分を家賃に上乗せされている場合には更新料も上がってしまいます。これは比較的わかりやすい比較ですが、不明な点は必ず確認しさまざまな要素をトータルで考えてくださいね。

引っ越し業者は必ず相みつを取ろう

引っ越し費用は、時期や希望日時で全く異なります。もちろん、引っ越しの繁忙期には高くなりますし、閑散期には融通がきき、コストも安く済みます。航空券などと同じですね。引っ越し費用を抑えたい場合には、世間の人があまり引っ越しを好まない時期にお願いすることでコスト削減が可能になります。

また、気に入った部屋が決まって「いよいよ引っ越し!」という時に、仲介を担当した不動産屋さんから引っ越し業者の紹介を受けることがあります。また、店頭に引っ越し業者のチラシが置いてあったり、賃貸契約の際に「提携している引っ越し業者なので他より安くできます」というような説明がある場合も。しかし、実際それが安いかどうかはわかりません。他の引っ越し業者からの見積もりを取るなどして、必ず確認してください。不動産屋さんによっては、引っ越し予定者を紹介することで手数料をもらっていることも少なくありません。利用者にとっては割高になっていることもあるのです。

水道光熱費は省エネアイテムでコンパクトに

光熱費にも水道・電気・ガスなどの要素があります。ひとり暮らしであれば、水道光熱費で1万円以内に収めたいところ。

水道料金については地域ごとに違いはあるものの、ある程度住みたいエリアが決まっている場合にはそこまで違いはありません。特にひとり暮らしの場合には、基本料で済むことが多いので、そこまで気にしなくて大丈夫です。

しかし、電気とガスはそれぞれ利用のバランスや省エネ家電の利用で大きく変わってきます。

部屋探しの際に確認したいのは、ガスがプロパンガスなのか、都市ガスなのかです。
プロパンは都市ガスの倍以上となることがありますので、入居を決める前に必ず確認しましょう。ガスというと調理を思い浮かべる人が多いのですが、ガス代の主な要素はお湯を作る機能です。具体的には、シャワーやお風呂、床暖房といった水をお湯にするエネルギーです。ですから、節約のために自炊をやめることは逆効果。ガスの節約であれば、省エネシャワーヘッドにするなどが効果的です。また、半身浴が好き、とか床暖房がないと凍えて死んでしまうというように、自分がガスをよく利用するとわかっている場合は、最初から都市ガス物件を選ぶことも大事です。

電気代に関しては、少し前ブームになったオール電化の物件も多いです。オール電化で電気代が節約できます、という物件もありますが、節約の度合いは使用する家電次第です。
たとえば、冷蔵庫は数ある家電の中でも、新しいものとの差が顕著に出ます。機種によって異なりますが、10年ほど前の冷蔵庫と比べると電気代が3分の1以下になることもあるのです。エアコンも同様です。古い家電をたくさん使用することでオール電化が負担になってしまう可能性もありますのでご注意を。

また、賃貸契約をする際に、交渉によっては、エアコンやシャワーヘッドを変えてもらうなどをお願いできる場合も。初期費用が下げられなくても、設備充実の面で住んでいる期間のコストが下がることもあるので、これも重要なポイントです。

家具・家電購入は入居後に

新生活を新しい家具や家電で迎えたい気持ちはみな同じです。ロボット掃除機やドラム式洗濯機も魅力的ですし、おいしいごはんが炊ける極上炊飯器も大型テレビも欲しいですね。

でも、ひとり暮らしの部屋は思っているよりずっと狭いものです。基本的には、買わずに調達できるものはそれを利用し、本当の必要最低限を購入すること。どうしても欲しいものは後から買い足しても決して遅くはありません。特に家電は新モデルが出るごとに既存の商品が安くなるので、待てば待つほどよいのです。

何よりも家具・家電を買う時は、いつか必ず、もう一度お金がかかる時が来ることを心にとめておいてください。それは、廃棄するときのお金です。買って終わりではありません。ひとり暮らしに慣れてから、自分の生活やスタイルに合ったもの、必要なものを厳選して購入しましょう。

あずき総研リサーチによると、働くアラサー都内ひとり暮らしの家賃相場は7〜8万。また、外食とコンビニ総菜の充実で、おしゃれキッチン家電は無用の長物となっている人多し。



■賢人のまとめ
礼金ナシの物件は、家賃に礼金が平たく乗せられている場合も。また、家具・家電は購入時だけでなく廃棄するときにも料金がかかります。買わずに調達できるものは、それを利用して。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。