▲風のある状況だったが、安定した飛行をしていた

▲オペレーション用のシステムで、コントローラーを使ったマニュアル操作にも切替可能

飛行実験は10分ほどで終了。撮影したデータはそのまま見るのではなく、サーバーへと送信され1枚の大きな写真へと合成したり、3Dへのモデリングといった編集作業が施されたりします。

▲PCでのモニタリング

▲撮影したデータはクラウドで編集作業が行なわれる

今回は初めてのドローンを使った機体整備点検作業ということで、ドローンが撮影した写真や動画を目視して異常をチェックすることになります。佐部氏によると、撮影データが蓄積されれば、以前の撮影データとの違いをコンピューターが検証して異常部分を自動で検出するといったシステムも構築できるそうです。

ANAとエアロセンスによる、ドローンを使った機体整備検証の様子です

@dg662bpmがシェアした投稿 - 2017 2月 15 3:02午後 PST





ただし今回はあくまでも実験で、すぐにでもこのドローンを使った整備点検作業が正式に採用されるわけではありません。飛行機には機体の種類ごとに厳密な整備点検の方法が決まっています。たとえば今回実験に使ったB787も、メーカーのボーイング社が規定した整備点検方法があり、「ドローンを活用した機体整備点検作業」についてボーイングなど各所で安全性に問題のない整備点検方法であると承認されない限り、正式な整備点検作業として運用できないわけです。

とはいえ、従来の「現場で作業員が目視する」よりも、はるかに安全で正確性も高くなるのは確か。いずれ空港では、飛行機の安全性を高めるために無数のドローンが飛び回るという光景が見られるかもしれません。