韓国でも絶賛されるイチローの流儀 「依然として重要」「称賛以外できない」
韓国紙が特集「向こう30年」発言は…、フランコ超えの50歳出場へ「記録破る瞬間を目撃する」
メジャー17年目を迎えるマーリンズのイチロー外野手。昨季はメジャー通算30人目となる通算3000安打の金字塔を打ち立て、日米のメディアから絶賛されたが、これまでワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で死闘を演じてきた韓国メディアも、日本のレジェンドを称賛している。韓国紙「東亜日報」英字版(電子版)が「イチロー・スズキ、推定殿堂入り選手」と特集。49歳までメジャーでプレーし続けた元千葉ロッテ、韓国三星のフリオ・フランコ内野手を上回る可能性についてレポートしている。
メジャーで輝き続ける背番号51は、かつて屈辱的な敗北を味わった韓国にとっても、やはり特別な存在のようだ。
「向こう30年、日本には手を出せないな、という感じで勝ちたいと思う」
特集では、2006年WBC開幕前の韓国代表に対するイチローの決意を如実に表すコメントを掘り出している。「この勇敢なコメントにモチベーションを高めたことで、韓国は皮肉にも何回か日本を倒した。しかしながら、この発言は彼がどれだけ自信に溢れていたのかを示している。心身ともに彼は全盛期にあったので、そう言えたのかもしれない」。このように、当時32歳だった日本の至宝について振り返っている。
健在ぶりの裏にあるストイックな流儀を紹介「執念の境界線に存在する」
実際にイチローの言葉通りの活躍で、日本に06年と09年のWBC連覇を許した。特に、2009年は2次ラウンドで日本に勝利し、マウンドに国旗を立てた韓国だったが、決勝ではスランプを乗り越えたイチローに6打数4安打とめった打ちを食らった。延長10回に決勝の2点タイムリーを打たれた屈辱は、多くの韓国国民の脳裏に焼き付いている。
あの発言から10年が過ぎた。「イチローは依然として重要だ」と健在ぶりを分析した記事では、今年10月に44歳を迎えるイチローがメジャーではブレーブスのバートロ・コロン投手(43歳)に次ぐ2位、野手では現役最年長であることを紹介。NPBの最年長投手が中日ドラゴンズの岩瀬仁紀(42歳)、韓国プロ野球の最年長投手が起亜タイガースの崔映弼投手(42歳)であることと比較しながら、「このことがイチローが全世界の現役選手で最高齢の野手たらしめている」とレポートしている。
イチローはマリナーズでメジャーデビューした2001年から10年連続で200本安打を達成したが、「2011年からパフォーマンスは下降している」と分析。一方で、「守備と走者として二重の供給源となっているイチローは4番目の外野手として依然として価値を示している」と指摘。出場143試合で、打率.291、1本塁打、22打点、10盗塁という昨季の成績も紹介した。
さらに、その健在ぶりの裏には、イチロー独特のストイックさが存在すると言及。「彼の怪我を避けるための慎重さは執念の境界線に存在する」「同じルーティンを過去25年、一日中繰り返してきたので、彼は重大な怪我をしたことが一度もない」と一流のプロ意識を表現している。
マ軍時代の韓国人元同僚「私にはイチローを称賛する以外にできません」
マリナーズ時代に同僚だったレンジャーズの秋信守外野手の「人としてはわかりませんが、野球選手としては私にはイチローを称賛する以外にできません」というコメントも紹介。記事の最後は日本球界が誇るスーパースターへの称賛で結んでいる。
「3000本安打のマイルストーンを越え、イチローはすでに殿堂入りを確実なものにしている。日本でのリーグ戦を含めると、イチローは通算4308安打を放っている。誰もいつ彼が引退するのか知らない。マイアミ・マーリンズは2018年まで契約延長を計画している。おそらく、我々は彼がフリオ・フランコの49歳での引退という記録を破る瞬間を目撃することになるかもしれない」
50歳までの現役続行を目標に掲げているレジェンド。その野望の達成は日米のファンだけでなく、韓国メディアまでも現実味をもって待っている。