『AP/AFLO』

 2月15日、男子テニスのアルゼンチン・オープンがブエノスアイレスで行われ、錦織圭(27)が世界ランキング50位のディエゴ・シュウォーツマン(アルゼンチン)を下し、8強入りした。 

 錦織といえば、デビスカップ(デ杯)への出場を辞退したことが記憶に新しい。デ杯といえば国別対抗の世界一を決める大会。シングルス4試合、ダブルス1試合の団体戦で、勝利数が多い国の勝ちとなる。五輪やW杯好きな日本の国民性からも、特に重要な大会に位置づけされる。しかも、日本開催のプラチナペーパーだった。

 まさかの錦織の辞退で、残念に思うファンも多かったが、あるテニス関係者はこう言って錦織の気持ちを代弁する。

「フランスは世界ランク6位のモンフィスを筆頭に12位のツォンガなど、25位までに5人も入っていた。対して日本は錦織だけ。勝つために錦織は、シングルス2試合のみならず、ダブルスにも出る可能性がある。それでも勝てる要素はほとんどない。ならば、ツアーを第一に考えてスケジュールを組むのもしょうがないでしょう」

 じつは錦織は、今シーズンにかなりの自信を持って臨んでいる。それを裏づけるデータを、全豪で取材する米ESPNのT・ニューマン記者が語る。

「彼は昨年、自己最高の58試合で勝利し、世界ランクは5位で終えた。優勝は1回だが、初めてグランドスラムすべてで4回戦以上に進出し、五輪では銅メダルを獲得。いまテニス選手として、ピークを迎えている」

 もうひとつ自信に繫がるのがトップ選手たちの高齢化。今シーズン中に、現在の世界ランク10位以内のうち、30歳以上の選手が6人に増える。技術の衰えはないにしろ、彼らの体力の低下は否めない。まだ若い錦織は、この部分でもアドバンテージがある。

「錦織は日本テニス協会に気を遣った発言が多く、出場要請には極力従ってきた。だが今回、初めて自分から辞退を申し入れた。代表を断わるわけだから、それだけ今年に賭けているということだ」(テニスライター)

 2010年以降、グランドスラムの28大会を制したのは世界ランク1位のマレーらわずか6人。しかも全員が、20代で初優勝を遂げていることも錦織を刺激しているのだろう。

「日本のために戦うのは楽しかった」とリオで語った錦織が、いま、本気でグランドスラムを獲りにいく。

(週刊FLASH 2017年2月7日号)