近年アレルギーを持つお子さんが増加しているというニュースは聞いたことがあると思いますし、実際みなさんのお子様もなんらかのアレルギーを持っているかもしれません。アレルギーを持つお子様の親御さんであれば、入園・入学など新しい環境のはじまりは特に不安な時期となりますが、アレルギーを持っていない親御さんにとっても注意が必要です。

食物アレルギーの基礎知識

食物アレルギーは、アレルギー物質の入った食品を食べることによって起こることはよく知られていますが、実は触ったり吸い込んだりしても症状が起こる場合があることについてはあまり知られていません。食物アレルギーのなかでもアレルギーの原因となる食物を摂取したりして2時間以内に症状が現れるのが「即時型食物アレルギー」で、症状はひとそれぞれ異なります。

皮膚・目・口・鼻などにかゆみや鼻水のような状態で出る場合もあれば、呼吸器に出る場合は喉が締め付けられる感じがしたり、呼吸困難になったり、咳が止まらなくなることもあります。消化器に現れる場合は嘔吐や下痢、腹痛になり、また循環器系に現れると血圧低下、チアノーゼ、頻脈になることも。また、全身の症状としてぐったり、意識朦朧、失禁などもありえます。

これらの症状のうち、全身の症状や呼吸器または消化器の症状がでる場合は「緊急性が高い症状」と判断され、これら複数の臓器に重篤な症状が現れることが「アナフィラキシー」と呼ばれます。特に乳幼児はこのようなアレルギー症状をうまく表現することができないため保護者はより一層注意深く観察する必要があるのです。

入園・入学のタイミングでアレルギー児の保護者はどんな対策をすべきか

(1)これまでの経過と現在の状況について整理

どの食べ物でいつ頃どのようなアレルギー症状が発生したかを、学校に具体的に報告できるように保護者は過去の状況をまとめておく必要があります。現在も同じような状況なのか、あるいは少しくらいなら摂取しても問題がないレベルなのか、医師からはどのような指示を受けているのかなど細かく報告できるように準備しましょう。

(2)学校の方針や対応に関する情報収集をする

給食が始まる場合、どのレベルでアレルギー対応をしてくれるのか、お弁当対応のほうが良いのかなどを調べておく必要があります。

宿泊を伴う学校行事の際や、図工の時間で牛乳パックや卵の殻を使った工作などをする際の対応などはどうなっているのか。豆まきなどのイベントはどう対応すればいいのか。アレルギー症状が起こりうる場面でどういった対応がなされるのか、など、できる限りの情報を収集し、もし学校にいる時にアレルギー症状が起きたときに、学校がどのような対応をしてくれるのかを事前に把握するように努める必要もあるでしょう。

(3)医師に緊急時の対応について確認しておく

内服薬やエピペン(アドレナリン自己注射製剤)を携帯する必要があれば携帯させ、その場合いたずら目的で使用しないこと、誤使用しないこと、といった親子のルールを構築しておかなければなりません。

(4)良好な関係性の構築

学校側の体制によっては保護者の要望が受け入れられないこともあるかもしれませんが、子どもを守れるようお互いが歩み寄って協力できるようにコミュニケーションを上手にとる必要があります。

(5)子どもへの教育やクラスメイトとの関係

クラスメイトやその保護者にはどのように協力してもらう必要があるのかについても確認が必要です。学校で症状が出たときに先生や友達にどう伝えるか、友達とお菓子を交換するような場面でどう対応するか、といったことを事前に家庭で教育しておく必要があります。場合によっては友人宅でお菓子をもらってもその場で食べるのではなく、一旦家に持ち帰ってから食べるといったことを上手に習慣づけさせることも必要になります。

お友達の子どもにあげたおやつがうっかりアレルギーの原因になるということも考えられますので、昔に比べお菓子の交換などにも配慮が必要な時代になっています。アレルギーのないお子さんをお持ちの親御さんも注意が必要なのです。

 <取材>第65回 日本アレルギー学会学術大会 市民公開講座

writer:サプリ編集部