平成生まれ力士の台頭で、世代交代真っ只中の相撲界。その中心的存在が、平成4年生まれの24歳、御嶽海である。初場所は2横綱2大関を撃破、3月の大阪場所で、小結に返り咲くことは確実だ。名門の出羽海部屋への入門が2015年、同年の十一月場所には新入幕という異例のスピード出世ともなれば、期待はどこまでも膨らむ。

「やんちゃな子でね、家の中でゴルフのドライバーを振り回して、ビデオデッキや体重計を叩き壊してました。それぞれ3台ずつ。目覚まし時計も片っ端からぶっ壊してたなあ(笑)」

 長野県木曽郡上松町の実家で、父・大道春男さん(66)が息子の子供時代を語る。

「私に相撲経験はありません。久司(御嶽海の本名)が相撲を始めたのは、地元の相撲大会に出たこと。小1のときでした。自分より体の小さい子に負けたのが悔しかったんでしょう。負けん気の強い子ですから、それから夢中になってね。野球やサッカーもやりましたが、本気なのは相撲だけでしたよ」

 隣町にある木曽少年相撲クラブで週2回の練習に参加。小学校の6年間で練習を休んだのは2回だけだったという。地元の中学には相撲部がなかったため、隣町の中学へ越境入学。高校も相撲部で、国体やインターハイに出場し、東洋大にスカウトされる。

「大学に行く際、私に相談はなかったですよ。でも『お父さん、どうしよう』って、相談されたのは大学3年のとき。学生のうちに学生横綱とかタイトルを獲れれば幕下付け出しからのスタートなので、それなら入門すればいい。でもそれがダメなら序ノ口からで、大学出は年齢的に不利。ならばまずは就職活動をして、実業団に進むことも考えろ、と言ったんです」

 結果、4年時に学生横綱とアマ横綱となり角界入りするのだが、父のアドバイスに従い、相撲部のある和歌山県庁への就職も内定していた。隣で微笑むのは、母親のマルガリータさん(45)。

「ヒーくんは元気で遊びまわる子だったけど、家事もよく手伝ってくれた。今でも帰ってくると、『ママは休んでて。僕が食器洗うから』って。料理も得意で、この前はエビチリを作ってくれました。天ぷらも上手なんですよ」

 初場所では、長野から国技館に駆けつけた母親の目の前で横綱・鶴竜を破り、金星を挙げている。力士にしてはよくしゃべる明るいタイプといわれる御嶽海だが、その性格はフィリピン出身の母親から受け継いでいるようだ。

 相撲ジャーナリストはこう評する。

「いい意味で現代っ子。話もおもしろいし上手だね。ちょっと生意気なところもあるけど、不思議と憎めない(笑)。稽古では手を抜いて本番にだけ集中する傾向があって、親方衆から口うるさく言われることはある。でもそれで勝ってきてるから、裏を返せば『伸びしろ』があるということ。大物だね」

 気が早い話だが、ゆくゆくは角界最大勢力の出羽海一門を率いることが期待される立場。となると、気になるのは「お相手」だ。父親いわく、

「結婚? 今のところ何も聞いてないです。好きなタイプも知らない(笑)」

 かつて本誌のインタビューで、「年上が好き。タレントなら篠崎愛とか。おっとりしたタイプがいいですね」と語っていた御嶽海。やっぱり美人ママの影響は大のようだ。

写真:親族提供
(週刊FLASH 2017年2月7日号)