今後は?

写真拡大

北朝鮮の金正恩・党委員長の異母兄、金正男氏(43)がマレーシアのクアラルンプール空港で殺害された事件で、マレーシア警察はベトナムのパスポートを持つ女を逮捕した。4人の男に持ちかけられ、「殺人とは思わなかった」と言っているという。

事件は13日午前9時頃、同空港のチェックイン・カウンターの列で起きた。並んでいた正男氏に2人の女が襲いかかったが、毒針かスプレーか、詳細はわからない。中国紙の報道では、女の1人が液体のついた布で正男氏の顔を覆うと、正男氏は「熱い」と別のカウンターへ助けを求めたという。

女の1人はその後、タクシーで市内のホテルに行ったが、いずれも防犯カメラで行動が確認でき、午前11時頃、警察が逮捕した。ホテル従業員によると、逮捕された時女は、笑っていたという。マレーシアへは、もう1人の女と来たが、「男4人も含め、彼らに置き去りにされた」と言っているという。

正男氏はクアラルンプール市内に高級マンションを持っており、そこに滞在していた。マレーシアは北朝鮮と国交があり、ビザなしで出入りできることから、北朝鮮の対外工作機関やサイバー部隊の作戦基地もあるとされる。もともと、暗殺指令が出ていることは知っていながら、なぜ「危険な」クアラルンプールにいたのかはわからない。

一方、正男氏の遺体の司法解剖が行われている病院には、北朝鮮の国旗を付けた公用車が詰めかけ、解剖に反対して、遺体の引き渡しを要求したというが、マレーシア警察は拒否している。マカオの家族も、遺体を引き取りたいといっている。

これまでに2度暗殺未遂

正男氏暗殺の指令は、金正恩体制が発足した2011年に出され、中国国内で 2度暗殺未遂が起きていた。いずれも中国警察が防いだ形だったが、その後正男氏は正恩氏に手紙で、「私と家族を助けてください」と訴えたといわれる。

両者の確執について、かつて韓国に亡命したキム一族の一人が証言した。それによると、正男氏の後ろ盾は、叔父にあたる張成沢氏で、一方の正恩氏を推したのが母親の高英姫氏と米朝会談の立役者、金容淳氏だった。

2001年に正男氏が成田から不正入国しようとして身柄を拘束されたのも、金容淳氏らが、米情報機関に密告したためだといされる。これで金正日氏が激怒して、正男氏の後継者の芽はなくなった。しかしその後2003年に、高氏と金容淳氏が相次いで謎の交通事故に遭い、金氏は死亡、高氏は重傷を負った。これについては、張派の仕業だという憶測が流れた。その張氏も2013年に処刑されている。

こうしたことから、メディアは次なる暗殺の標的は、正男ジュニアの金ハンソルさん(22)か、と先走って報道している。

夏目三久「北朝鮮の動きは予測不能ですが、今後は?」

竹内薫(サイエンス作家)「正恩氏の性格が表れていると思う。キーワードは必達、必ず達成するということ。周りの言うことは全く聞かない。計画したことは必ずやり遂げるという性格。ということは今後は、核ミサイルに向かう。国際社会がどう対応していくか」