一昨年の8月、東京・虎ノ門の法律事務所で男性弁護士Aさん(42=当時)の性器を枝切りバサミで切断し、トイレに流した傷害と銃刀法違反の罪に問われた元プロボクサーで慶応大法科大学院生だった小番一騎被告(26)の控訴審判決で14日、東京高裁(植村稔裁判長)は懲役4年6月の実刑とした原審判決を支持し、控訴を棄却した。

 小番被告は2日の高裁初公判にも判決公判にも姿を見せなかった。

 一審ではAさんに対する謝罪の気持ちを口にした被告が控訴した理由を弁護人は「本人は原審判決に不服というほどでもないが刑が重すぎると考えて控訴した。マスコミに追い回されるので出廷は控えた」と説明する。

 実際には妻もノリノリのダブル不倫だったが、そんな妻の作り話をうのみにした小番被告は、妻がAさんから強姦されたと信じて疑わず、Aさんに陰茎切断の“私刑”を下した。

 裁判で妻の裏切りを知った後も「お互い愛しているので今後も一緒に生活したい。妻は自分の命よりも大切」と“元凶の妻”への変わらぬ愛情を口にした。

 だが知人によると、小番被告は現在、実家暮らしで妻とは別居中だという。一審で読み上げられた妻の調書からは「夫への愛情は変わらないが、これだけ話題になってしまったので名字だけは変えたい。人生をリセットして海外の美術系専門学校に留学したい」などと小番被告との結婚生活に全く未練がないことがうかがえた。

 司法関係者は「実刑判決が確定すれば何年も別居することになるのに、保釈後も直接的なサポートがないのなら、実質的な夫婦関係は破綻しているのだろう。法科大学院も退学処分になり、実刑確定後は10年間は弁護士登録ができない。弁護士資格取得目前だったのに将来の道も閉ざされた」と言う。

 被害者の局部を奪う蛮行を犯した小番容疑者だが、自らが失ったものも大きい。