専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第92回

 みなさん、寒空の中、日夜練習に励んでいることでしょう。

 練習と言えば、”枯れたゴルフ”をするシングルさんで、「ドライバーは、3球打つ程度。あとは、アプローチのみ」という方がいました。おそらく、フォームが固まっているため、何球も打って調整する必要がないのでしょう。

 ゆえに、確認の意味で3球ほど打てば、「よし」としていると思われます。早くそういう境地にたどり着きたいのですが、現実はなかなか難しいです。

 それでは、世界一流のトッププロは、試合前にどんな練習をしているのでしょうか。以前、PGAツアーに参戦していた日本人選手から、お話を聞いたことがあるので、紹介しておきます。

 まず、日本人選手なら、多くの方がやるストレッチですが、PGAツアーを戦う外国人選手たちは、ほとんどやらないそうです。日本人選手が足を屈伸して、手を伸ばして……なんてやっていると、外国人選手たちから「ヘイ! イチロー(みたいなだな)」と、声をかけられるんだとか。

 確かに、イチロー選手はバッターボックスに立つ前に入念なストレッチをします。日本人にとっては当たり前の光景ですが、外国人にとってそれはとても奇異なことのようで、ゴルフの現場においても「日本人はみんな、イチローのようにストレッチをする」と、外国の選手は不思議に思っているようです。


日本ではラウンド前のストレッチは欠かせないものですけどね...

 じゃあ、ドライビングレンジに立って、短いクラブから徐々に番手を上げて打っていく練習はどうなのでしょうか。

 これも、PGAツアーでは決まったセオリーはなく、ドライバーから打つ人もいれば、アイアンからの人もいれば、短いウエッジから練習を始める人もいて、人それぞれみたいです。それを聞いて、「日本とぜんぜん違うじゃん。みんな、教科書どおりやりましょうよ」なんて思ったりしました。

 後日、冷静になってみてわかったのですが、アメリカのPGAツアーは広大な国土の中をぐるぐると転戦していって、ゴルフの試合はいつも暖かいところを選んで行なわれます。冬はハワイやフロリダ州のオーランドとかね。そのため、体は常にほぐれていて、よく回るわけです。おかげで、ストレッチもさほど必要ないし、どんなクラブから練習を始めても何ら問題ないのでしょう。暖かいと、ボールもよく飛びますしね。

 ちなみに、タイガー・ウッズが日本に来たとき、その公開練習を見ましたが、彼はサンドウエッジから徐々に番手を上げていき、仕上げにドライバーを数回打って終わっていました。タイガーがそうなら、やっぱり教科書どおり、やってみますかね。

 ところで、なぜドライバーは数球打つ程度でいいのでしょうか。

 そういう方は、ドライバーをたくさん練習していた過去があります。だから、ある程度フォームが固まっているのです。しかも、ドライバーを打つ前段階で、例えば7番アイアンぐらいで、ドライバーを打つ調整をしているからいいみたいです。

 ここで気になるのは、アイアンの練習で、どうしてドライバーで打つ調整ができるのか?

 それは、「すべてのスイングは同じ原理にあるため、どのクラブで打っていても、全部の(クラブの)練習になる」というものです。

 これは、過去に教わった名コーチからの受け売りですが、先生曰く、

「パターからドライバーまで、スイングの原理は一緒」

 と言っていました。

 個人的な感触で言うと、正直そこまではちょっと無理でしたね。とりあえずパターを外して、ウエッジからドライバーまでは「同じかなぁ〜」と、思うようにしていました。

 では、練習において気をつける点は何か?

 それは、フェースのどこにボールが当たるか、です。私の場合は、ヒール側に当たる癖があります。アイアンだとシャンク、ユーティリティーやウッドだとヒール球や引っかけボールになりやすいです。

 昔はどこに当たっているんだろうと、フェースにシールを貼って確認したものです。今はさすがにしませんけど、でもボールを凝視して、打ったときの残像を見るようにしています。そうすると、何となくなんですけどね、フェースのどこに当たっているか、わかります。

 ショットの善し悪しは、球筋の行方と打った感触で把握できます。

 例えば、一応真っ直ぐ飛ぶんだけど、普段より飛距離が出ていない。この場合は、軽いヒール球です。そこから、さらに引っかけボールやシャンクが出始めると、これはもう重症です。ボールの当たっている箇所が、クラブフェースのすごい内側、あるいはシャフトそのものとなっていて、直ちに治さないといけません。

 ですから、ラウンド前の朝など、ヒール気味のボールが出ているときは、インパクトが真ん中に当たるように念じます。念じるんかい!って、何となく調整しつつ、念じながら練習するんですよ。クラブヘッドの先端に当たるようにしたり、あるいはクラブをやや短く持ったりすることで、何となく真ん中に当たり出すんじゃないかと。

 私は何度もシャンクで泣かされてきたので、自分なりの対処法はある程度確立しています。そうやって、いろいろいじりながら打って、ユーティリティーを打つ頃には、うまく調整できて、ドライバーを打つときにはスイングが完成され、3球ほどいい球が打てて満足、という感じになります。

 ドライバーをたくさん打つと疲れます。また、ドライバーを打ちすぎると、スイングが乱れることがあります。だから、ドライバーは程よい球数で、いい感触で終わらせるのが、一番じゃないですか。

 実際には、打ち始めからずっと調子が悪いときもありますよ。いくら打ってもいい球が出ないとか。もうアイアンは諦めて、ドライバーを打ったら、それはよかったとかね。理論と違うことは、ままあります。

 でも、ゴルフ場での練習は、絶対にひと箱のみと決めています。キリがないですから。

 そうして、最後の1球は綺麗に打って終わりたい。最後に変なボールが出ると不安になって仕方がありませんから。気分も悪くなりますし。

 ですから、個人的にはラスト1球前で練習を終えます。残ったボール、本当のラストボールは、パターやウエッジで20ヤード打つとか、絶対にミスをしないショットで終わらせます。そうすると、私はいい感触のままラウンドに向かうことができます。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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