昨年末に世界貿易機関(WTO)加盟15年の節目をむかえた中国は、加盟時に受け入れていた「非市場経済国」の地位を、無条件に「市場経済国」に変えることを主張しはじめている(MICHAEL SOHN/AFP/Getty Images)

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 昨年末に世界貿易機関(WTO)加盟15年の節目をむかえた中国は、加盟時は「非市場経済国」だったが、「市場経済国」に変えることを主張しはじめている。

 WTO協定では、政府が為替相場や生産活動を統制している国を「非市場経済国」とし、貿易相手国から厳しい反ダンピング関税を課すなどの対抗措置を受けやすくなる。香港の政治評論家の練乙錚氏は最近、米ニューヨーク・タイムズへの寄稿で、「中国の経済は市場経済どころか、共産党の政治利益のために作り上げられたシステムで、党・企業が合体する集団経済である」と中国共産党政権(以後、中共政権)の言い分を一蹴した。

「過剰な干渉、為替操作等の目に見える問題より、最も恐ろしいことは中共政権が半数以上の民間企業を水面下で支配している、という現実だ」と練乙錚氏は語る。

 WTO加盟直後、当時の江沢民政権は、民間企業を中国共産党に従わせるため、排除していた企業経営陣や実業家を多く入党させた。そして「3人以上の党員のいる民間企業は必ず『党の主旨、方針、政策を執行する』党支部を設立」という党規のもと、中共政権は民間企業の上層部とその運営を操るようになった。

 2015年の中国政府筋のデータによると、52%の民間企業に、党支部が設けられている。世界に展開する米スーパー大手のウォールマート中国法人のような大手外資系企業も、例外ではない。

 「党の利益を絶対的に最優先にする」というマインドコントロールのもと、民間企業の党員は、会社と党の利益が相反するときは、必ず党を選択する。中国で会社を運営するならば、みな党に服従するしかなくなる。

 過去15年間において、この方法を通じて、中国共産党は国内の民間企業を制御するようになった。見た目には普通の企業だが、実質は党の組織と化している。共産党主導体制のもとでは、中国経済が健全に発展する可能性はゼロで、企業はいつまでも党の意志に牛耳られる。

 練乙錚氏の論説は、国際社会に警鐘をならす。中国政府はすでに80カ国以上から市場経済国地位への同意を取り付けているが、日米欧は中国の市場が歪めているとの理由で「市場経済国」とは認めない方針をとっている。

(翻訳編集・叶子)