カンボジアと北朝鮮は、長年の友好関係を保ってきたが、ここに来て変化が生じつつある。

全盛期には10店舗を誇ったカンボジア国内の北朝鮮レストランも、2015年には大同江食堂、昨年には平壌高麗食堂、平壌綾羅島食堂、平壌親善館、牡丹峰食堂と歯が抜けるように閉店に追い込まれ、残りも閑古鳥が鳴いている有様と伝えられている。

さらにプノンペンの平壌冷麺館が製造、販売してきたキムチも、カンボジア市場から締め出されつつあるという。

韓国の聯合ニュースは、現地の情報筋を引用し、プノンペン最大のショッピングモール・イオンモールと、カンボジアと香港の合弁企業で、市内で4店舗を経営するラッキー・スーパーマーケットも、平壌冷麺館のキムチの販売を取り止めたと伝えた。背景には、北朝鮮に対するカンボジアの世論が悪化したことがあると見られる。

平壌冷麺館がキムチ販売で得られる収益は年間2万ドル(約227万円)と、決して大きくない。しかし、長年の友好国カンボジアにおいてすら、北朝鮮の立つ瀬がなくなりつつあることを示している。

昨年、カンボジア駐在のホン・ギチョル北朝鮮大使は、カンボジアのホーナムホン外相に会って、李洙墉(リ・スヨン)外相と金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長のカンボジア訪問、フン・セン首相の北朝鮮訪問を打診した。

しかし、ホーナムホン外相は「忙しい」との理由で、訪問を拒否した。

カンボジアと北朝鮮は、1965年にインドネシアのジャカルタでシアヌーク前国王と金日成主席が出会ったことをきっかけに非常に親密な関係を築いてきた。金日成氏はシアヌーク前国王のために、平壌近郊に長寿園と呼ばれる宮殿を建てた。クーデターで国を追われた前国王は北朝鮮に亡命し、その宮殿に住んでいた。

しかし、金日成氏は1994年に、シアヌーク前国王は2012年に逝去し、両国をつなぐ人物はいなくなってしまった。