ペトロ・ラービグは、雇用創出の場としての役割も担っているため、サウジアラビア人の雇用は絶対。安定操業には現地従業員のレベルアップが必須だ

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「2017年度以降には手応えを感じている」。自他共に認める住友化学の懸案事項、ラービグ計画。1月末に発表された住友化学の16年4〜12月期決算でも利益貢献がかなわなかったが、そんな惨状を見越した上でも十倉雅和・住友化学社長は昨年から自信をチラつかせていた。

 世界最大級の石油精製・石油化学コンビナートをサウジアラビアで運営しようと、同国の国営石油会社であるサウジ・アラムコと合弁でペトロ・ラービグを設立してから、今年でえとが1周する。

 日本で一般的なナフサに比べて安価なエタンを原料にできるとあり、この計画で住友化学の石油化学事業は競争力が格段に高まるはずだった。

 ところが現実は苦難だらけだ。ペトロ・ラービグ社内のそこここにいる「閉めちゃいけないバルブを閉める」(住友化学幹部)といったうっかりミスの多い現地従業員などに散々悩まされたのだ。

 住友化学から人を派遣して指導を重ね、ようやく安定収益を稼ぎ出せる態勢が整ってきたのが14年だ。が、15年には空前の原油安に見舞われ、大幅な在庫評価損を計上。4年に1度の定期修理もあり、通期で赤字に陥った。

 16年に入ると、今度はなんと工事中の第2期の設備で外部業者が電源ケーブルを切断。競争力の源泉であるエタンクラッカーにも不具合が生じ、第3四半期には再び赤字に転落した。ちなみに、ケーブルを切ったのは損害賠償を請求できるような大きな業者ではなかったため泣き寝入りだったようだ。

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