「シン・ゴジラ」3冠!!!

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 2016年度(第71回)毎日映画コンクールの表彰式が2月15日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われた。

 作品賞に当たる日本映画大賞は「シン・ゴジラ」に輝き、女優助演賞(市川実日子)、美術賞(林田裕至・佐久嶋依里)と合わせ3冠を達成。会場となった川崎は、劇中でゴジラが襲撃した街でもあり、樋口真嗣監督は「東京のいけにえとして壊しまくって、お世話になった恩をあだで返したのに温かく迎えていただいた」と自ちょう気味に感謝を述べた。

 それでも、興収76億円を超える大ヒットに「ゴジラを作り続けてきた先輩たちを受け継ぐ形で、今、日本を舞台にしたらどういうゴジラを作るか本気で考え、本気でやった」と自信のほどを吐露。2002年「とらばいゆ」でのスポニチグランプリ新人賞以来の受賞となる市川は、「とても面白かったという声をたくさん聞いて、その皆の表情が子供のようにワクワクしていた。温かなキャッチボールができたうれしい体験の上に、こんな素敵な賞まで頂けた」と笑顔をはじけさせた。

 アニメ映画「この世界の片隅に」も日本映画優秀賞、大藤信郎賞、音楽賞(コトリンゴ)の3部門を制覇。公開時は63スクリーンでのスタートだったが、現在は289スクリーンにまで膨れ上がり興収も20億円を突破し、片渕須直監督は「今日で公開から96日目ですが、まだまだたくさんの人が広げてくれている。本当にありがたい」と感無量の面持ち。海外23カ国での上映も決まり、主人公・すずの声を担当した女優ののんは3月にメキシコをキャンペーンで訪れる予定で、「この映画の一番のテーマは、日常の中にはたくさんの楽しいことが転がっているということ。それはどこの国の誰にでも響くと思う」と期待を寄せた。

 興収240億円を突破し、歴代4位のメガヒットとなった「君の名は。」はアニメーション映画賞と日本映画ファン賞を受賞。新海誠監督にとってアニメ賞は12年ぶりで、「『君の名は。』まで歩いてこられたのも、この賞が道を照らしてくれたおかげ。でも、ファン賞は観客に選ばれる賞なので、見ていただきたくて作っている身としては何よりもうれいし」と表情をほころばせた。既に新作の準備に取り掛かっており、「アニメは時間がかかるので、3年に1本作れれば。大変だと皆に言われるが、1本1本全力で命懸けで、観客が見終わった後にこれが見たかったというものを探っていきたい。目標は19年です」と意欲を新たにした。

 「永い言い訳」は西川美和監督が監督賞、本木雅弘が男優主演賞をそれぞれ受賞。本木は、西川監督に対し「小さな体からは想像がつかないくらいのエネルギーに満ちあふれている。書く力、人間を見る力に絶大な信用を得て、まず監督に喜んでもらいたいという思いだった」と最敬礼。一方の西川監督は「俳優として熱い思いを背負って作品に挑んでくれた。何といってもしつこい。1シーンごとに、こんなにつべこべ言う人は初めて。でもそれは、役の産みの親より育ての親としていかに演じ切るかという思いの裏返し」とちゃかし気味に称賛した。

 昨年のカンヌ映画祭「ある視点」部門で審査員賞に輝いた「淵に立つ」の筒井真理子が、初の女優主演賞を受賞し、「カンヌより長い歴史ある賞で、心から光栄」とトロフィーの重みをかみしめた。香川照之は、黒沢清監督の「クリーピー 偽りの隣人」で16年ぶりとなる男優助演賞を獲得。市川中車として歌舞伎界に入ってからは映画への出演が減り、昨年の公開作は同作のみで、撮影に参加することもかなわなかったが、「今の僕の人生にとって、とても新鮮。新しい一歩として新人賞と受け止めている」と気持ちを新たにした。

 「セトウツミ」でスポニチグランプリ新人賞に輝いた中条あやみは、「演技で賞をいただくのは初めて。少しは自信になったかな」と涙。「ケンとカズ」で同賞を射止めた毎熊克哉も、「あきらめずに続けてきて良かった。タレント名鑑やウィキペディアにも載っていない男ですが、戦い続けるしかないですね」と感激に浸っていた。