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●来店動向から設計したキャンペーン
楽天モバイルは15日から、1回線契約で2回線目以降が最大で無料になる新キャンペーンを開始した。「1枚買うと、もう1枚無料!」というドミノピザの売り方をイメージさせるキャンペーンで、家族の取り込みに効果を発揮しそうだ。

○キャンペーンの設計

楽天モバイルの新キャンペーンが興味深いのは、その設計にあたり、実店舗の来店客に着目した点だ。楽天モバイル事業を担当する楽天の執行役員 大尾嘉宏人氏によると「来店客は夫婦もしくは親子が多く、全体の34%が同時申込みを行っていた」と話す。計測日が土日のため割り引いて見る必要がありそうだが"同時契約"がキャンペーン設計の注目点となったようだ。

そしてもうひとつ。携帯電話に関する春のキャンペーンは、学生がそのターゲットとなるのが相場だが、大尾嘉氏は「春は学生だけ、若い人だけに訪れるものではない」とし、誰でも対象になることをベースに設計。上記の来店動向と併せて、1回線契約で2回線目以降が最大で無料になる新キャンペーンを開始することとなった。

○キャンペーンの内容は?

キャンペーンの内容に少し踏み込むと、通話SIMの5GB以上のプランとオプションサービスの「楽天でんわ5分かけ放題 by 楽天モバイル」を申し込むと、2回線目以降の月額基本料が最大1年間無料もしくは割引きが適用されるという仕組みだ。期間は5月11日まで。

キャンペーンの対象者は、家族に限定されるわけではなく、2回線目以降、友人もしくは本人でも条件を満たせば適用される。とはいえ、今回のキャンペーンで期待されるのは、家族での加入だろう。そして、このキャンペーンは他のMVNOの先を行くものとなりそうだ。

●他社は追随できるか
○意外に少ないMVNOの家族割

意外かもしれないが、MVNOで家族割があるところは少ない。楽天モバイルを含めて、データシェアという形で「家族でお得になりますよ」とメッセージを発し、サービス提供してきたのがこれまでの流れ。ダイレクトに「無料になる」「いくら安くなる」と打ち出したものは少なかったのだ。

料金で表現した今回のキャンペーンは家族割に該当すると見てよさそうだ。そのメッセージがどれだけの効果を生むのかは、他のMVNOにとっても注目すべきところになるだろう。有効と見るならば、他社も追随し、MVNOで家族割が広がっていくことも期待できる。

ただし、他社が追随しきれない強みを持つのが楽天モバイルだ。それはスーパーポイントアッププログラム(SPU)の存在である。SPUは楽天カード、アプリなどを利用することで、楽天市場での買い物時に最大7倍ポイントがアップするというプログラムのこと。楽天モバイルの利用でもポイントがプラス1倍分追加される。

このSPUは今回の楽天モバイルのキャンペーンの対象となっており、楽天市場を多用する家族にとっては、魅力的なものになる。そして、このような取り組みを他社が真似することは難しい。楽天と同等かそれ以上のキャンペーンを展開しようと考えると、とりうる手段も限られる。

MVNOは現状、600社超の事業者がひしめき合う、激しい競争のなかにある。そのなかで、楽天モバイルのような取り組みを見ていくと、事業資産を持つMVNOは強さを発揮できるチャンスが多分にあることがわかる。そう考えていくだけでも、MVNOの先行きをある程度は想像できるだろう。

(大澤昌弘)