ホントに痛いのか疑わしい…(イラスト・サカタルージ)

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七転八倒するほどの激痛が突然襲ってくる腎臓結石。症状が軽い人は自然に「石」がオシッコとともに排出される。

その際、週に3〜4回のセックスを行なうと、石がポロリと外に出て、しかも体内にある時でも痛みが少なくなるという驚きの研究がまとまった。「患者にそんな元気アル?」という議論はさておき、本当ならウレシイが......。

週に3〜4回のセックスで89%の結石は消える

東京大学医学部泌尿器科科学教室のウェブサイト「尿路結石」によると、腎臓結石(尿路結石)は、生涯のうちに男性は11人に1人、女性は26人に1人の割合で発症する、よくかかる病気だ。メタボリック症候群などが原因で尿中にカルシウムが増え、結石に成長する。大きくなると尿路に詰まり激痛が走り、衝撃波や内視鏡を使った石の破砕などの外科治療が必要になる。しかし、8ミリ以下の小さな結石は、尿と一緒に自然に排出される場合が多い。自然排出を促すには、1日に食事以外に2リットル以上の水分をとることを勧めている。

さて、「腎臓結石とセックス」のユニークな研究を行なったのは、エジプトのケナ大学医学部泌尿器科のムハンマド・サイード・アブデル・カダー教授だ。国際泌尿器科腎臓科専門誌「International Urology and Nephrology」(電子版)の2017年2月3日号に発表した。カダー教授は、腎臓結石を取り除くのにセックスが有効かどうかを調べるために56人の患者に協力してもらった。患者の腎臓結石の大きさは、CT(コンピューター断層)検査の結果、5〜10ミリだったというから、自然排出の可能性が高い、比較的症状の軽い人が多かったわけだ。

カダー教授は、56人の患者を次の2つのグループに分け、4週間に渡って腎臓結石の様子を観察した。

(1)週に3〜4回の頻度でセックスをするよう指導し、水を飲むなどの対処療法も行なう28人(26〜47歳・平均年齢37歳)。

(2)対処療法だけを行ない、臨床試験中にセックスはもちろんオナニーも行なわない28人(25〜50歳・平均年齢37歳)。

その結果は、次のようなものだった。

(1)最初の2週間の「結石自然排出率」は、セックス組が82%(28人中23人)、非セックス組が53%(28人中16人)だった。

(2)4週間後の時点での「結石自然排出率」は、セックス組が89%(28人中25人)、非セックス組が53%(28人中20人)だった。

(3)また、自然排出するまでにかかった日数の平均は、セックス組が12日、非セックス組が16日だった。

(4)さらに、臨床試験中に起こった激痛の回数や鎮痛薬の処方の回数を比較しても、セックス組の方が少なかった。

ジェットコースターに乗ると結石が飛び出る研究も

というわけで、セックスを頻繁に行なうと、結石が自然排出しやすくなるばかりか、痛みの解消にもつながることが立証された。

ちなみに、腎臓結石に関しては、2016年10月に米ミシガン大学のチームが遊園地のジェットコースターに乗ると自然排出しやすいという研究を発表している。ジェットコースターの激しい振動と衝撃が結石の尿路器官への流出を促すのだ。腎臓結石の対症療法の1つに「水運動療法」がある。水をいっぱい飲んだ後に上下に跳ねる運動をすると、結石が飛び出しやすいという。

セックスにも同じ効果があるようだ。