レストランを探すときには『食べログ』を、パソコンを購入するときには『価格ドットコム』というように、その分野に特化した情報サイトを参考にする人は多い。レストランであれば料金や店の雰囲気、サービス、また、パソコンだったらお目当ての商品の最安値や相場などを知ることができる。このように、我々は物を選択するとき、何らかの情報を判断の材料に役立てている。これは健康や医療においても同じことが言える。ただ、健康や医療の場合は、間違った情報を鵜呑みにすれば健康を損ない、時に生命の危険すら伴うことがあるから怖い。
 昨年、信ぴょう性のない記事を多く掲載したとして、DeNA傘下の健康・医療キュレーションサイト“WELQ”が社会的に問題になった。サイトは閉鎖され、全記事が閲覧不可に追い込まれた。WELQだけではない。信ぴょう性に乏しい健康・医療情報はちまたに溢れている。自らの健康を守るには、正しい情報を見抜く知恵が必要だ。正しい知識を持ち、間違った情報にだまされないよう、薬について最低限知っておくべき常識を紹介したい。

 まず、“ジェネリック医薬品”という言葉をテレビCMや薬局などで、誰でも一度は聞いたことがあるだろう。10年くらい前から日本でも普及し始め、今ではかなりなじみのあるものとなった。しかし、ジェネリック医薬品について正しく理解をしている人は、まだまだ少ない。
 処方箋医薬品(病院で医師が処方箋を出し、薬局で薬剤師が調剤する薬)は、大きく新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)に分けられる。新薬の成分に関する特許が切れた後に出るのがジェネリック医薬品である。新薬には多額の開発費が含まれているため高額だが、ジェネリック医薬品はこの開発費が抑えられるため、新薬に比べ安価となる。
 高齢化を受けて日本の医療費は高騰し、厚生労働省は国民皆保険制度を維持するために、医療費の削減に躍起になっている。ジェネリック医薬品が普及した背景にはこのような事情があるのだ。薬局では、「効果が同じで安い」と説明を受けることが多く、当然、ジェネリック医薬品を選ぶ患者が増えている。

 しかし、ジェネリック医薬品にも注意点がある。
 「薬剤師は、新薬とジェネリック医薬品は同じ成分・効果で、新薬に比べて安いと説明をすることが多いです。しかし、新薬とジェネリック医薬品は完全に同じではありません。成分は同じですが、製法の特許が残っている場合があるので、製法まで同じとは限らないのです。製法の違いは体への吸収や分解に影響し、効果が異なる可能性があります。抗がん剤などでは、製法の違いで格段に効果が変わったケースもあるようです。しかし、少しでも安い方がよいという患者さんも多くいます。最終的には、患者さんご自身の価値観で選んでいただくしかないでしょう」(都内勤務薬剤師)

 ジェネリック医薬品は、成分が同じでも、製法の違いで効果が変わる場合もあるようなので注意が必要だ。