子どもに与える場合は、特に注意して成分名に目を通そう(画像は欧州で販売されているアスピリン)

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インフルエンザの流行が続いている。国立感染症研究所の発表によると、2017年2月10日現在の患者報告数は約199万人に上り、45都道府県で警報レベルだ。

高熱で体がだるい、炎症で関節が痛むといったインフルエンザの症状に悩まされているときは解熱鎮痛剤を飲みたくなるが、注意が必要だ。一部の解熱鎮痛剤が、「インフルエンザ脳症」のリスク要因となる。

厚労省のガイドラインに明記されている

インフルエンザ脳症とは、インフルエンザによって引き起こされる合併症のひとつで、中枢神経に何らかの異常を起こす病気だ。

日本小児神経学会のウェブサイトの解説では、症状が出るまで発熱から数時間〜1日と短く、けいれんや意味不明な言動、急速に進行する意識障害などが表れる。

厚生労働省が発表している「成人の新型インフルエンザ治療ガイドライン」によると、インフルエンザ脳症と報告されている患者は1〜6歳以下の乳幼児が多く、毎年100〜300人程度が発症している。成人でも毎年約10〜20人は患者が確認されているようだ。

子どもの患者に限ると、適切な治療をしなかった場合の死亡率は約30%、後遺症も約25%と、重篤な病気であることがわかる。

根本的な原因は不明で現在も研究が続いているが、厚労省インフルエンザ脳症研究班による患者調査から「アスピリン(バファリンなど)」「ジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)」「メフェナム酸(ポンタールなど)」のいずれかの「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」を服用すると、インフルエンザ脳症を発症しやすくなったり、重症化することが確認された。

特に子どもへの影響が大きいとされる。成人での詳細な影響は不明だが、厚労省は年齢を問わず注意すべきとしている。

服用しても大丈夫な解熱剤もある

厚労省は、インフルエンザ脳症への基本的な対処法を記した「インフルエンザ脳症ガイドライン改訂版」の中で、前述の3種類を与えることは「禁忌」と明記。小児科などでは、インフルエンザの子どもにこれらの解熱鎮痛剤を処方せず、成人でも原則として処方しないように指導されている。

では、解熱剤はすべて服用してはいけないのか。実は、問題はないことが確認されている薬もある。

それが、「アセトアミノフェン(アンヒバ坐剤、カロナールなど)」だ。「インフルエンザ脳症ガイドライン改訂版」でも、「解熱剤はアセトアミノフェン 10 mg/kg/回が使用できる」とされている。

とはいえ、素人が自己判断で解熱鎮痛剤を服用するのは危険。成分がわからない場合、診察を受けている病院の医師などに相談しよう。