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朝はギリギリまでふとんで寝て、起床後はドタバタしながら会社へ向かう……。そんな毎日が続き、朝食を食べないのが当然になっている人もいるのではないだろうか。

「平成27年 国民健康・栄養調査結果の概要」によると朝食の欠食率は男性が14.3%、女性が10.1%であり、男性は30代が、女性は20代が最多。それぞれおよそ4人に1人が朝食を抜いているという結果だった。

朝食を食べないと必要なエネルギーが得られず、午前中の活動を十分にこなせない。だが最近の研究によると、朝にご飯を摂取しないことのデメリットはさらに多岐に及ぶようだ。

海外のさまざまなニュースを紹介する「MailOnline」にこのほど、「朝食を抜くことと疾病の関係」に関するコラムが掲載された。朝食を抜くと肥満や心臓病、糖尿病の罹患リスクが高まることが判明したという。

米国の心臓の専門家たちは朝食を摂取することの重要性を強調している。専門家によると、米国成人の3分の1は朝食を抜く代わりに一日中間食をしているそうで、これは身体にとても悪い。米国心臓協会は先ごろ、新たにガイダンスを発行して朝食を食べるように訴えている。

米国のこの「朝食事情」は英国にも通じるものがあるそうで、英国心臓財団の栄養士であるヴィクトリア・テイラー氏は「英国人は忙しいライフスタイルを過ごすようになり、その結果、食事パターンはより多様で不規則になっています」と指摘。そのうえで、「『何を食べるか』ということだけではなく、『いつ食べるか』が心臓病のリスクに影響を与えることが判明しました」と語る。

コロンビア大学の専門家が中心となって行われた研究によると、規則正しく健康的な朝食を食べる人は日中にカロリーをため込まないという。それはすなわち、就寝の瞬間までカロリー燃焼にたっぷり時間をかけられることを意味している。

さらに専門家たちは、「食事をしっかりとして日中の軽食や間食をやめるべきだ」と警告。朝食では一日の摂取カロリーの15〜25%、つまり女性なら300〜500kcal、男性なら375〜625kcalを摂取すべきと助言する。科学者たちは「朝食で食べるべきもの」を定義してはいないが、「健康的な朝食」とは繊維やカルシウム、カリウム、ビタミンDなどの栄養素が豊富に含まれているべきだとしている。

「食事の時間は体内時計に影響を与えるため、健康を左右する」とこの研究の中心的研究者であるコロンビア大学のマリー・ピエー・セントオンジェ教授は語る。

先行研究においても、朝食を抜く人はそうでない人と比べて心臓発作になるリスクが27%、脳卒中になるリスクが18%高まることが判明している。毎日朝食を食べる人は、そうでない人と比べてコレステロールも血圧も高くなく、逆に朝食を抜く人は肥満と糖尿病になりやすいと言われている。また、国立がん研究センターも「朝食を食べる回数が週2回以下の人は、毎日食べる人に比べて脳出血リスクが4割近く高まる」との研究を発表している。

セントオンジェ教授は、多忙な現代でも食事の計画を立て、食べる時間を作り、その計画を確実に実行することが大切になると話す。普段から朝食を食べる習慣がない人は、まずは朝食の重要性を再認識するところから始めてみてはいかがだろうか。

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○記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。

(杉田米行)