金正男氏が殺害されたというニュースが世界中に衝撃を与えている。


 北朝鮮情勢に詳しいデイリーNK編集長の高英起氏によると、金正男氏はマレーシアやシンガポールでビジネスを展開しており「我々のメンバーがマレーシアで接触したことがある。死亡した場所がマレーシアだと聞いたときに、これは(暗殺された可能性が高い)と思った」という。また、女性2人に毒針で殺害されたという情報については「以前、北朝鮮の工作員に会ったときに、暗殺するときには毒針を使うとはっきり言っていた」とし、この情報にある程度の信憑性があるのではないかと話した。


 共同通信の元平壌支局長、磐村和哉氏は「(暗殺の可能性は)残念ながらある。金正恩体制を鉄壁のものにするためには、海外で活動する親族というのはあまり好ましくないと思っている可能性はある」とした上で「体制側が暗殺の指示を出さなくても、色々な組織の人間が今の体制の状況を忖度して先走ってやってしまった可能性もある」と分析した。


 金正男氏は、弟の金正恩氏が指導者に定まってからは北朝鮮の政権からは距離を置いていたものの、一時期は指導者として目されていた人物。「そのことからも、体制内に様々な人脈がある。単純に体制固めだけではなく、金正恩氏に反抗するような情報を流していたかもしれない」(高氏)。


 また、中国が金正男氏を匿っていたという情報もあるが、今回の事件で中朝関係に影響が出る可能性はあるのか。磐村氏は「中国側はこれまでにも金正男氏を匿っているというようなことは、公式に言っていない。中朝関係に影響することはないのではないか」とした。


 金正男氏の死は、金正恩体制にどのような影響を与えるのか。「かなり窮地に立たされることになると思う。特にアメリカはオバマ政権のときから北朝鮮の人権問題を国際社会に訴えてきた。トランプ政権もその延長でこの問題で圧力をかけていくことになるだろう」と磐村氏。


 金正男氏には金漢率(ハンソル)氏という息子がいる。高氏によれば、漢率氏は現代的な考え方の持ち主で、北朝鮮の体制を批判的にみている人物だという。高氏はこの漢率氏の安否が懸念されると話す。高氏は「北朝鮮の国内では、なにかあれば一族皆殺しというのはよくある話。言動も政権に批判的というのもあって、危険が全くないとは言えない」と懸念を示した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)


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