2018年から20年へと5度目の納入延期となった国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」。三菱重工は事業を担当する子会社・三菱航空機の社長を交代し、てこ入れを図るが、ズルズルと納入が先延ばしされる状況に経産省はカンカンだ。

 経産省の提案で始まったMRJ計画は、三菱重工が08年から開発し、当初は航空会社に13年に納入される予定だった。ところが、日本航空や全日空など国内外の航空会社からの受注が入る中、試験飛行のたびに不具合が判明。事業の実現性を危ぶむ声が上がり始めた。開発費も当初見込みの500億円から増加の一途で、最終的に4000億〜5000億円に膨らむとの見方も浮上。納入延期による航空会社への違約金も「億単位で発生するだろう」(航空ジャーナリスト)という。

 三菱重工の宮永俊一社長は、延期発表の場で「開発前に難しさをもう少し勉強すべきだった。情報収集やリスク分析が足りなかった」と反省しきりだったが、経産省は「このまま三菱重工に任せていたら計画自体が失敗し、二度と国産旅客機の開発ができなくなる」(幹部職員)と危機感を募らせる。同省では、複数企業のジョイントで完成した「YS-11」を参考に、自衛隊用の航空機で実績のある川崎重工など複数社に呼びかけてSPC(特別目的会社)をつくる案が浮上しているが、業界の反応は冷ややかだ。

「経産省は今まで三菱以外は相手にしてこなかったクセに虫がよすぎる。これから事業参入しても採算は取れないだろう」(航空機メーカー幹部)

 もはやグダグダになったMRJ計画。果たして飛ぶ日は来るのか。