写真提供:マイナビニュース

写真拡大

東京農工大学は2月10日、「タンパク質を固定化できる高分子」の精密な合成と材料化に成功し、自宅で高感度な病気診断を可能にする次世代バイオセンサの実現に道を拓いたと発表した。

同成果は、同大大学院工学研究院応用化学部門の村上義彦 准教授、同大学院博士後期課程在籍の木ノ下恵太 大学院生らによるもの。詳細は高分子化学の専門誌「Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry」(電子版)に掲載された。

現在、さまざまな機能性材料を作るための構成要素として、両末端にヒドロキシ基(-OH)を有する高分子「両末端OH型テレケリック高分子」が利用されているが、その合成に必要な「両末端OH型RAFT剤」の作製には、特定の構造しか作れない、適用可能なモノマーの種類が少ない、得られた高分子が分解しやすいなどの課題があったという。

今回、研究グループでは、新たに「ジチオベンゾエート構造」を有する両末端OH型RAFT剤を合成し。多数のモノマーを用いたRAFT重合に成功したという。また、反応性が高い活性エステルを分子構造内に有するタンパク質を固定化できる両末端OH型テレケリック高分子を合成し、その両末端に重合性反応基を導入して架橋剤として用いることで、タンパク質を固定化したゲルの調製にも成功したとする。

今回の成果について研究グループでは、さまざまな分子を固定化した高分子ならびに、その高分子を用いて形成したゲルを容易に得ることが可能になると説明しており、これにより例えば、特定の分子と結合する性質を持った抗体やDNAなどを固定化した高分子をゲル化することで、さまざまなバイオセンサを簡便かつ安価に作製することができるようになるとしており、そうしたバイオセンサを家庭に普及することで、簡単に自己診断をして病気を早期に発見できる社会の実現が期待できるようになるとしている。