日本中が注目した新横綱初の土俵入り。口上は少し噛んでしまったが、今回は大観衆の前で見事にやり遂げた!

 1月27日、寒風が吹きすさぶ中、東京・明治神宮に1万8000人の相撲ファンが詰めかけた。お目当てはもちろん、日本出身としては19年ぶり、第72代横綱に昇進した稀勢の里(30)の奉納土俵入り。予定時刻より5分遅れで雲竜型で用いる一輪の化粧まわしを締めた稀勢の里が登場すると、歓声が上がった。

 そして待望の横綱土俵入り。観客からの「ヨイショー」という声とともに四股を踏むと、左手は脇腹に、右手を斜め前方に伸ばす。同門の芝田山親方(元横綱・大乃国)“直伝”の「雲竜型」だ。187センチ、171キロの大きな体が驚くほどの柔軟さで腰を割り、威風堂々ゆっくりとせり上がると、その姿がより大きく見えた。

 1998年に行われた三代目若乃花の奉納土俵入りも見学し、この日も早朝から並んでいた60代の男性に話を聞くと、「若乃花は不知火型だったんだけど、稀勢の里の雲竜型も決まってて格好よかった!」と、往年の相撲ファンも絶賛。

 相撲に詳しいスポーツジャーナリストの大野勢太郎氏も、「指先まで神経が行き届いていて1本の線になっているかのような強さのある土俵入りで、本当に立派なものでした。これから挨拶回りなどで気疲れして春場所は大変かもしれませんが、彼にとってのスタートですから、頑張ってほしいですね」と、期待を寄せる。

 この日の寒風が春風に変わる頃、新たな歴史が生まれる――。