【悲報】羽生結弦氏が「自分で作って、自分で食べる」を始めたため、午前4時で2017年のバレンタインデーは終了した件。
私はバレンタインに絶望した!出家する!

2月14日、セントバレンタインデー。僕は午前4時の東京で悶絶していました。脳内でこだまする「ニャー!」というテンパった声と、「ああああああああ!」とうめきながらキーボードを叩く自分。わずかな楽しさを胸に残しつつも、大半はチョコレートのような苦さ…ほとんどが絶望で占められた時間でした。

「羽生結弦選手、赤エプロン姿でバレンタイン手作りチョコに初挑戦“テンパってます”」の動画が、いくつかのニュースサイトの公式アカウントで投下されたとき、僕らのバレンタインデーは終わりを告げたのです。始まる前に終わったのです。その迅速かつ強烈な打撃の意味は、どれほど理解されていたでしょうか。

いいですか、あの動画で羽生氏が何をしていたか。羽生氏はまず手作りチョコ作りの技法テンパリングを学びました。そして、手作りに挑戦する方に応援のメッセージをチョコで書き、それをあしらったチョコレートケーキを作りました。そして、最終的にそれを食べたのです。

そもそも、バレンタインで我々が何をしたいか、よく考えてみてください。

【1:理想的展開】
世界でたったひとつの本命チョコをワタシがあげて、羽生氏が受け取る。

【2:現実路線】
みんなの想いが詰まったチョコをトラックで届けて、羽生氏がそれを受け取る。

【3:逆展開】
羽生氏がチョコを持ってきてワタシにくれる。「え、どうして…」と戸惑うワタシに、「バレンタインデーでしょ」と彼はすました顔。周囲の視線が刺さる。目立ってるのかな。何で、どうして。グルグルする。もらっていいのかな。どうしてワタシなんだろう。夢?ドッキリ?あぁ、前髪切っておけばよかった…。「自分でテンパリました。えっへん」、彼は少し上からワタシを見下ろしたまま。何か言わなきゃ…。「あ、ありが、とう…」。あと、何を言えばいいんだろう…。あ、お返し、お返ししなきゃ。「ホワイ…」。この場合ホワイトデーでいいのかな…何か違うな…。来年?来年でいいのかな?どうしよう…どうしよう…。1秒が1時間に感じられるくらいゆっくりなのに、何にもできないワタシ。握りすぎてチョコの包みがカサカサ音を立てて、それが余計に沈黙を強調していく。ダメだ…顔上げられない…。彼は小さく息を吐きだして、「これは勇気です」「僕からの勇気です」「僕も頑張りました」「今日はバレンタインデーです」「お礼じゃなくて、ほかに聞きたい言葉があります」「よろしくお願いします!」彼が私の顔を横から覗き込んでくる。言える?言うの?今?あー無理!ひどいよこんなの。何にも準備できてないのに。一方的すぎる!言えばいいんでしょ、言えば!もうどうにでもなれという気持ちと、早く逃げ出したい気持ちが、お望みの言葉をカタチにしていく。

「ワタシ、ゆづが好…」
「フモさんが好きです!!」

ワタシの精一杯をさえぎってブチ壊すみたいに彼の言葉が飛んできた。ナンダコレ。彼は横から覗き込んだままの姿勢で笑ってる。「先に言われたら、何か悔しいから!」って、悪ふざけの顔。あー、またこうやって踊らされるんだ。ワタシたちはツイストリフトみたい。ワタシはいつも振り回されて、彼のもとへと堕ちていく。信じているけれど、いつも、少しだけ、怖い。

と、このようないくつかの展開を想定するなか、そこには絶対に欠かせない要素があります。それは「チョコの受け渡し」です。チョコを受け渡さないバレンタインデーなら、それはただの平日です。2月14日である必要もなくなり、そうなったが最後、夢も希望も可能性もない話へと萎縮し、急速に「現実」が立ちはだかってきます。

彼はその「必須要素」を根こそぎひっくり返してきた。バレンタインデーで絶対に欠かせない「チョコを渡す」という必須行為を、羽生氏は自分ひとりで完結させてしまったのです。「自分で作って、自分で食べる」。この行為によって、すべての本命チョコも義理チョコも彼のもとには届かなくなるのです。チョコは「自分で作ったもっとエエやつ」があるので、間に合ってるのです。

さらに、一縷の望みを託した「彼からもらう」逆チョコ展開についても、無慈悲に否定されてしまった。自分で食べちゃうんだもん。「自分で作って、自分で食べる」という行為は、バレンタインを即死させる致命的な打撃です。それを午前4時に一斉に繰り出してくるなんて。僕は会社に行く気を完全になくして、寝ました。

↓こんなかわいらしい笑顔で、僕たちのバレンタインを終わらせた羽生氏!もー!


これじゃ、バレンタインの人じゃなく、ただのお菓子好きの人だよ!

自分で作って自分で食べちゃダメ!

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しかし、僕もタダでは起きない男です。「ニャー!」などの好素材を含んだ殺傷力の高い動画を、何とかしてバレンタインらしい記憶に書き換えていきたい。そして、一旦すべての煩悩を解消したあとで、四大陸選手権に備えたい。ちょっと技術力不足で台本のみという形にはなりますが、ここでそのプランをご紹介していきますので、どうぞみなさまもお手元とのスマートフォンと頭上の脳を活用して、バレンタインをお楽しみください。

↓僕はこんな思い出を作り上げることで、この凄惨なるバレンタインを乗り越えようと思います!
【原文】

ロッテ:「羽生選手、お願いいたします」

羽生:「はい」

ロッテ:「こんにちは、お願いいたします。ロッテでチョコレート研究を行なっております、ヨシダと申します。よろしくお願いします。本日はですねロッテガーナミルクチョコレートでですね、よりチョコレートが美味しくなる秘訣でありますテンパリングというものを…」

羽生:「(ふむふむ)」

ロッテ:「テンパリングというのはチョコレートを一度に一気に冷たくするのではなくて、じょじょにチョコレートを冷やしていくことでよりなめらかで美味しいチョコレートができあがっていきます。それでは実際にこの台を使って行なっていきたいと思います」

羽生:「(ふむふむ、ほほー)」

ロッテ:「ちょっと前を失礼いたします

ロッテ:「こちらが温かいチョコレートです。これをまずちょっと冷たい、チョコレートよりも冷えている台に流していきます」

羽生:「(パンパン)」

ロッテ:「こちらのヘラ2枚を使ってテンパリングのほうを行なっていきますので」

羽生:「なるほどー、ハイ、お願いします!」

ロッテ:「まず初めにやらせていただきます。前、失礼します

ロッテ:「チョコレートのほうを少しずつ板の横に横に流していきます。そうしますとチョコレートが、板が冷たいのでこの下に接しているところがどんどん冷えていくので、このチョコレートじょじょに移動させてあげることでチョコレート全体が冷えていくようになっていく…。こちらやるコツとしましては、進むほうを真っ直ぐ置いていただいて、こちらを下からかいていきます。で、落とします。なるべく次に円を作る場所に落として。当てて、落とす。当てて、落とす。こちらを何回も何回もいったりきたり往復をしまして、行なっていきます」

羽生:「(ふむふむ、うんうん)

羽生:「すごいイイ香りしますね

ロッテ:「ホントですか。そうです、チョコレートの風味の、テンパリングをとることで…。もしよろしければテンパリング挑戦してみませんか?

羽生:「頑張ります」

ロッテ:「まず右手を、最初かくのでこのような形に。で、次、左手を板に垂直にして、握手をするような形を…持ってください。で、右手から、下からすくってあげて」

羽生:「ちょっと?」

ロッテ:「ちょっとずつですね、ハイ」

羽生:「こういう感じです?

ロッテ:「あ、その感じです!その感じでどんどん進んでください!

ロッテ:「これやるの初めてですか?

羽生:「料理自体、ほとんどしないんで」

ロッテ:「ほんとですか?すごい上手です

羽生:「ニャーーーーー!!ニャーーー!!

ロッテ:「そのまんまコチラに進んでいただいて大丈夫です。もっとコチラからアチラに戻っていただいていいですか

羽生:「ほぅ、ほぅ

ロッテ:「今度は左手を、先ほどの右手と同じように寝かせます」

羽生:「ふーーーーーー

ロッテ:「で、右手は固定していただいて、少しずつチョコレートこちらのほうから、真ん中に向かって思いっ切り、かいてください。そうです!その調子で進んでいただくと、最初の右よりどんどん上手く、テンパリングが上手くできて…」

羽生:「テンパってます!かなり

ロッテ:「テンパってますか!ウフフフ

羽生:「緊張した…」

ロッテ:「どうされます?これぜひ食べてみませんか?テンパリングされたチョコレート」

羽生:「どうやって食べればいいですか?」

ロッテ:「いいですか、私のほうでさせていただきます。一回真ん中に戻していただきます」

羽生:「(背後にまわる)」

ロッテ:「うふふ!そちらから見ますか?

羽生:「いや、早いなと」

ロッテ:「いえいえ」

羽生:「(しばらくテンパリングに集中)」

羽生:「(パン、パン、パン、パン)

ロッテ:「初めてテンパリングされるとうかがってまして、こんなに最初私は円がキレイにできることができなかったので、すごいさすがにいつものアスリートの見て学ぶというものがすごいこんなに初めてお会いして一回やっただけで見れるというのが、私もそういうところできるように学んでいきたいと思います。素晴らしいです」

羽生:「いえいえいえいえ!ありがとうございます」

羽生:「お手本がね、素晴らしいお手本が近くにあるということは学びのタイミングなので、ずっと必死こいて見てました。いろんな角度から。最初これ行くときがこうやって頑張ってすくおうとしてたんですよ。そうなるとあんまり、なんていうか、ここらへんがこういっちゃう感じになってて。それがもっと早いほうがいいんだな、流せるほうが上に入るんだなって。そしたら丸にちょっとずつなってきたなって思いました。というのを見て」

ロッテ:「まさにそのとおりだと思います」

羽生:「よかったです。ありがとうございます

羽生:「これもうちょっと極めたいわ…」

ロッテ:「チョコレート入れさせていただきます。今、テンパリングしていただいたチョコなんですけれど、器に入れさせていただきますね

羽生:「すっごいなめらか

ロッテ:「すごいなめらか、わかりました?ぜひ今度はクチで体感していただきたいと思いますので、ぜひコチラ食べてください」

羽生:「ありがとうございまーす」

羽生:「では、いただきます。すごーい。あ、すごいですねコレ

ロッテ:「口当たりがまろやかでいつものガーナの…」

羽生:「風味の出方が、すごいなんていうかフワーって広がる感じが

ロッテ:「いつもですと固まってるチョコレートだと思うんですけど、そうしますと溶けるまでに少し時間がかかるんですけど、そちらですと初めから溶けておりますので、よりいつもよりクチに広がりが早いんだと思います」

羽生:「なんか、なんだろう、ベターッとしてる感じじゃなくて、なんていうか、食べてる感はやっぱあるんですよね。なんか、なんだろう、ただ流し込んでるって感じじゃなくて、ホントにチョコレート独特の甘みがあって風味もありつつ、なめらかさもあるんだけれども、ちゃんとチョコレートを食べてるっていう感じが」

羽生:「こんなに違うんですね

ロッテ:「冷やすとよりもっと美味しさがわかりますので、このような美味しいチョコレートをロッテとしてはお客様に提供しております」

羽生:「すごい…美味しいです

ロッテ:「ありがとうございます



【大胆な記憶の改変後/ワタシのパートは大きな声でハッキリと】


ワタシ:「フモフモと申します。よろしくお願いします」

ゆづ:「すごいイイ香りしますね」

ワタシ:「まず初めにやらせていただきます。前、失礼します」

ゆづ:「ほぅ、ほぅ」

ワタシ:「クチで体感していただきたいと思います」

ゆづ:「すっごいなめらか」

ワタシ:「ありがとうございます」

ゆづ:「すごいなんていうかフワーって広がる感じが」

ワタシ:「もしよろしければテンパリング挑戦してみませんか?」

ワタシ:「これやるの初めてですか?」

ゆづ:「こういう感じです?」

ワタシ:「すごい上手です」

ワタシ:「あ、その感じです!」

ゆづ:「テンパってます!かなり」

ワタシ:「テンパってますか!ウフフフ」

ワタシ:「これぜひ食べてみませんか?」

ゆづ:「では、いただきます。すごーい。あ、すごいですねコレ」

ゆづ:「すごい…美味しいです」

ワタシ:「すごい上手です」

ワタシ:「あ、その感じです!」

ワタシ:「ちょっと前を失礼いたします」

ワタシ:「入れさせていただきますね」

ゆづ:「ふーーーーーー」

ゆづ:「すっごいなめらか」

ワタシ:「うふふ!そちらから見ますか?」

ゆづ:「こんなに違うんですね」

ゆづ:「(パン、パン、パン、パン)」

ワタシ:「真ん中に向かって思いっ切り、かいてください。そうです!」

ゆづ:「ニャーーーーー!!ニャーーー!!」

ワタシ:「もっとコチラからアチラに戻っていただいていいですか」

ゆづ:「ニャーーーーー!!ニャーーー!!」

ワタシ:「あ、その感じです!その感じでどんどん進んでください!」

ゆづ:「ふーーーーーー」

ゆづ:「よかったです。ありがとうございます」

ワタシ:「ありがとうございます」



ふーーーーーーーーーーーーーーー……。

やってしまったな……。

やはり出家するしかないかもしれんね…。

魂が根っこからドロッドロや……。

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「自分で作って、自分で食べる」を身につけた羽生氏とバレンタインの関わりは来年以降はどうなってしまうのか。現状ではまったく予想もつきません。わかっているのは、来年の今頃はこんなバカなことして遊んでいる場合ではないということ。コチラも、アチラも、お互いにピリピリの真っ最中。そして、それはもしかしたら最後のピリピリとなるかもしれない。

ゆづとの楽しいバレンタインはまたくるのか。こないのか。未来を想うと心がざわついてしまいそうなので、今は真っ直ぐにテンパリングの台と溶けたチョコレートだけを見つめていたい。その意味では、むしろ「自分で作って、自分で食べる」は夢見たままの幸せが残る時間だったのかもしれません。

今年はまだ、誰のチョコも食べてないってことを、無邪気に信じたままでいられるから…。

さぁ、遊びの時間は終わりだ!心を入れ替えて四大陸選手権へ!