担い手農家が格付けする「JA満足度ランキング」(*)で首位に立った福井県のJA越前たけふは、肥料を独自開発して価格を2割以上下げるなど農家支援に力を入れる。冨田隆組合長に改革の手応えについて聞いた。(週刊ダイヤモンド2017年2月18日号特集「儲かる農業」より。聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)

*「週刊ダイヤモンド」が行った「担い手農家アンケート」の回答者1490人に地域農協への「支持・不支持」や、「地域農協が1年前と比べて、組合員の農業所得向上に役立つように事業や組織を改革したか」を聞き、JAへの満足度をランキング化した(参考記事)。アンケートは規模拡大意欲を持つ農家ら1万4850人を対象に実施した。地域農協への評価の他、農機や食品スーパーといった農業関連企業の問題点なども聞いた。詳細は2月13日発売の「週刊ダイヤモンド」2月18日号に掲載している。

──組合長に就任して7年になります。これまでの成果と今後の課題を教えてください。

 5年前、JA全農・経済連も取引先の選択肢の一つということにして、競争原理を導入しました。

 その結果、農家に供給する肥料の8割超がメーカーと共同で開発したオリジナル商品になり、発売当時の価格は全農・経済連のものより2〜3割も安くなりました。

 コメも、全農・経済連に出荷するより有利な条件で売れています。求められる品種・品質のコメを、約束した数量分、安定的に供給することで外食チェーンなどと信頼関係をつくりました。無農薬・無化学肥料で作った高付加価値なコメは60キログラム2万1400円と、地域で流通する通常のコメに比べて1万円も高く売れています。

 減反が廃止される2018年産からは「全量主食用米の生産を基本」にします。そうアナウンスしたところ、集荷量の1.9倍の引き合いが来ました。日本市場全体ではコメ余りでも、良質なコメを安定して供給できる産地には発注が殺到するものなのです。

 17年からは、成長を軌道に乗せるための先行投資を行います。コメの販売量を1.5倍まで増やすため、低温倉庫を建てるのに3億円、トマトの生産施設の建設に2億円など、合計9億円規模の投資になります。

 JA越前たけふでは5年前に農業関連事業を分社して改革を進め、年間5000万〜7000万円の利益をコンスタントに計上できるようになりました。この成果があるからこそ、今、投資できるのです。

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