国が推進する「自立支援介護」はなぜ危ういのか

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 介護保険関連改正法案が2月7日に閣議決定され、通常国会で審議に入った。国会議決を経て、そのほとんどが2018年4月に迎える介護保険制度第7期から実施される。

 2000年4月に始まった介護保険制度は、サービス内容や保険料などを3年ごとに見直す。今回の6回目の見直しの最大の目玉は、「3割負担の導入」と受けとめられている。

 65歳からサービスを利用できる高齢者が、どのようなサービスを使ってもその費用の1割だけを自己負担することで制度は始まった。だが、消費税のアップが見送られるなど財源が厳しくなる一方で、要介護高齢者は増えていく。そこで、「支払能力に応じた負担」という「応能負担」の考え方を取り入れ、現役並みの所得層を「余裕層」として自己負担を上げることになった。

 3割負担の対象者は、単身の場合で年収340万円以上、年金収入だけだと344万円以上である。夫婦世帯では年収463万円以上となる。

 厚労省の推計では、約12万人、介護保険利用者全体の3%に相当するという。この値上げは、18年8月から実施する。

 すでに15年8月から、一定所得以上の高齢者の負担を2割にしており、その中でさらに上位の高所得者を3割負担にする。介護サービスの内容に応じた負担という「応益負担」の原則からの転換がより一層進むことになる。

 同じように応能負担の原則を40歳から64歳までの人が支払う保険料にも適用し、「総報酬割り」の計算方法を導入した。各種医療保険から加入者数の頭割りから徴収した方法を、収入に応じた計算方法へ切り替える。

 その結果、大企業社員や公務員など高所得者約1300万人の負担が増え、比較的に所得の低い中小企業を中心にした約1700万人の社員の負担が減ることになる。今年8月から4年間かけて段階的に実施する。

 年収456万円の大企業会社員であれば、保険料が毎月727円増える。

 こうした負担増が強調されているが、実は、介護保険の根幹にかかわる制度改定が盛り込まれている。

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