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北海道大学(北大)は2月14日、リゾチームタンパク質の結晶ができる瞬間を観察することに成功し、役割と性状の異なる2種類の非結晶粒子がタンパク質の結晶化を促進することを解明したと発表した。

同成果は、同大の山粼智也氏および木村勇気氏、ヒューストン大学のPeter G. Vekilov氏、東北大学の古川えりか氏および塚本勝男氏、日立ハイテクノロジーズの白井学氏および松本弘昭氏、グルノーブル大学のAlexander E. S. Van Driessche氏らによるもの。詳細は「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。

結晶のサイズや形、構造を決める重要なプロセスである結晶化の最初期の過程である「核生成」は、ナノオーダーの空間スケールにて数秒以内で完結してしまうため、その詳細は良く分かっていなかった。

今回、研究グループは、リゾチーム分子の高濃度液滴と考えられている粒子が存在する溶液条件での詳細な観察を実施。その結果、このタンパク質の結晶化は不規則に密集して結晶化の土台となる粒子(ガラス状粒子)と、その上にゆったりと不規則に集まった後に結晶に変化する粒子(液滴状粒子)の2種類が介在するということを明らかにしたという。

この結果について、研究グループでは、核生成理論モデルの発展に寄与するほか、創薬のブレークスルーや結晶化の制御につながる成果と説明しており、従来、結晶化が困難であったタンパク質の結晶化につながることが今後可能になることが期待されるとコメントしている。