1月22日に開催された「歴代ロータリー車ミーティング2017 in マツダR&Dセンター横浜」をつづるこの一連の記事、いよいよ、そのメインコンテンツであるトークショー篇です。トークショーをされたのは、マツダに以前在籍されており、RE車に縁の深い小早川隆治氏と小野隆氏。

小早川氏の続いて、サプライズゲストの小野隆氏のトークショーへ。

小野さんはイベントへの登場も初めてなら、トークショーへの登壇も初めて! 小野さんの登壇は参加者も当日伝えられたサプライズで、どんな話が飛び出すのか一同聞き入ります。

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小野さんは「REのコンパクトさを生かしたスポーツカーをつくりたい」という意気込みで東洋工業(現マツダ)へ入社。その後、その思いを胸に仕事を続けるも、なかなかカタチにする機会に恵まれず、SA22C型サバンナRX-7となる開発コードX605のプロジェクトが始まり、思いの丈をそのデザインにぶつけ、見事自身のデザイン案が1/10サイドビュースケッチから1/5クレーモデルへと進み、ウイニングデザインとなっていった経緯を語ります。

なんと1/1クレーモデルになってもそのヘッドライトが丸目の固定式だったこと、ガラスハッチ3分割への変遷など、生産型へと至るストーリーを披露していく中、小野さんがデザインをしていた時代は、現在とは違いデザイナーがクレーモデルを削っていた話や、いかにクレーモデラーとデザイナーの関係性が密であったかという話などが盛り込まれていきます。

そして話は、SA22Cのデビューへ。実はIMSA仕様についても量産のカタチが決まった段階で、量産のクレーモデルをベースに小野さんがデザイン、カラーリング。外国人ジャーナリスト向けの発表会で、ニューモデルの発表と同時にレースモデルを発表、これが外国車メーカーを含めて、前代未聞だったそうです(2代目のFC3Sでも同時公開をしたそうです)。

その後、オイルショックとスポーツカー(とデザイナー)不遇の時代について語り、2代目サバンナRX-7、FC3S型のデザインストーリーへと進みます。

世界的に大成功をおさめた初代を受け、小野さんは2代目のデザインを任されます。そのプレッシャーの話からFCの話が始まります。特徴的なブリスターフェンダーを軸にその後マツダの伝統となる敏腕なクレーモデラー、その1人である萬谷清敏氏とのストーリー、そして、それまで谷田部の日本自動車研究所の風洞試験場を用いていた空力チェックですが、社内の三次試験場へ風洞が建設されたストーリーなどが展開されます。

そして、本邦初公開のストーリーとして、デザインへのこだわりから、新設となったフロント4POTアルミキャリパーのデザインについてシャシー設計部へ進言、「マツダの歴史の中でシャシー設計部に入ってきたデザイナーの第一号といわれた」という話もありました。

そしてカブリオレ、最初は社外デザイナーへ依頼していたものが最終的に小野さんが任されることになり、すっきりした幌の収納などをもった現在のFC3Cカブリオレが生まれた経緯へ……。

こういったイベントで話すことが初めてという小野さんのデザイン開発ストーリーは、時間がいくらあっても足らないほど内容が濃く、興味深い内容でした。

1971年に東洋工業(現マツダ)に入社した小野さん、カーデザイナーを志したきっかけのひとつが、スパ・フランコルシャン24時間レースでのファミリアロータリークーペの活躍。そういう意味では、小早川さんが撒いたロータリースポーツの種が、小野さんのデザインとして発芽したともいえるのかもしれませんね。

その後、ゲストへの質問タイム、サイン会などが行われ、参加者は充実した時間を過ごしました。

小早川さんの手によってしたためられたのは、FD3S開発の際のコンセプトキーワード、「志・凛・艶・昂」。

ローターやローターハウジングへサインを希望する参加者も。

当日の主催者のみなさん、多くのボランティアの方々とともに運営お疲れさまでした。今年一年、記念すべきマツダ・ロータリー50周年を楽しみましょう!

(古川教夫)

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