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東北大学は2月13日、精子異常による男性不妊と環境由来化学物質であるポリ塩化ビフェニル(PCB)の血中濃度の上昇に関係がある可能性が示されたと発表した。

同成果は、同大 大学院医学系研究科の有馬隆博 教授、同研究科の仲井邦彦 教授らによるもの。詳細は「Scientific Reports」(電子版)に掲載された。

これまでの研究から、PCBは環境残留性と人体への内分泌かく乱作用があり、PCBばく露に伴い、精子数の減少や運動率の低下などが引き起こされることが報告されてきた。

今回、研究グループは、PCBがヒト精子のエピゲノム異常に関与し、男性不妊症に影響するのではないかという仮説のもとに解析を実施。その結果、血中PCB濃度は、年齢の増加とともに徐々に高くなり、精子数の低下を引き起こす可能性が示されたほか、精子DNAのメチル化の異常率とも関連していることを確認したとする。また、メチル化異常を示す精子を用いた場合、異常のない精子と比べ、体外受精で妊娠率が減少していることも確認したとしており、これらの結果から、PCBにより影響を受けた精子のメチル化異常が、次世代の受精卵に伝達され影響を及ぼしている可能性が示されたという。

なお、この結果を受けて研究グループでは、PCBなどの環境由来化学物質は生殖細胞(性腺)に影響を与え、オスのメス化や精子数減少などを引き起こしていると考えられているとするほか、精子数が少ない乏精子症の原因の一端が明らかになったとしており、今後のヒト男性不妊症の原因と病態解明、治療法開発に役立つことが期待されるとコメントしている。