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市場動向調査企業である米国Gartnerは、2016年の世界主要電子機器メーカーの半導体需要に関する調査に基づき、世界半導体ユーザー消費額トップ10を発表した(表1)。

○2016年に世界で一番半導体を消費した企業はSamsung

2016年に世界で最も半導体を消費したのは、前年トップだった米国Appleを押さえて、前年比4.4%増となる317億ドル相当の半導体を消費した韓国Samsung Electronicsとなった。半導体消費シェアで9.3%を占める同社は、米Intelにつぐ世界第2位の半導体メーカーであると同時に世界最大の半導体消費企業である点が注目される。2016年を通じてスマートフォンや液晶テレビ、液晶パネルなどの多様な市場で中国の電子機器メーカーとの激しい競争を経験したが、同社の半導体消費自体は増加し、半導体消費企業の世界トップの座に返り咲いた。

○調査開始以来、初めて半導体消費量が減少したApple

2位は、前年比3%減となる300億ドル相当の半導体を消費したAppleで、Samsungにトップの座を譲ることとなった。Appleの半導体消費が前年比マイナスとなったのは、Gartnerが調査開始した2007年以来初めてである。Appleは、iPhone 7/7 Plusの人気がいまいちなうえに、iPadの販売も振るわず、PC市場におけるシェアも失っており、今後の挽回策が注目される。

AppleとSamsungの半導体消費量は僅差であり、2015年度も、速報値ではSamsungがトップだったが、確定値では、Appleが5億ドルほど上回った。この2社は、過去6年にわたり1位・2位のトップグループを形成し、3位以下を大きく引き話している。この2社だけで、世界市場の半導体の約2割を消費している。

○日本企業として唯一トップ10に入ったソニー

3位は、前年比で25%増と大きく消費量を増加させた米Dellで、対照的に消費量を同5%減とした中国Lenovoと順位が入れ替わった。5位は、前年比30%増とした中国Huaweiで、対照的にマイナス成長の米HPと順位が入れ替わった。日本企業として唯一ランキングトップ10に入ったのは、2015年からランクを1つ落として8位となったソニーである。同社の半導体消費量は前年比12%減の607億ドル相当で、世界シェアは1.8%である。

○中国企業の半導体消費量の急増に期待と不安

2015年の上位10社中9社は、2016年も上位10社としてランクインしている。唯一トップ10から外れたのは米Cisco Systemsで、同社に代わってトップ10に入ってきたのは、2016年に急成長した中国のスマートフォン・メーカーBBK Electronicsだ。前年比131%増という驚異の成長で、2015年の21位から一気に9位にのし上がった。

上位10社の国別の内訳は、4社が米国企業、3社が中国企業、2社が韓国企業、1社が日本企業となっている。上位10社に中国企業が3社入ったのは初めてのことであるという。これについてGartnerでは、中国のマクロ経済環境は減速しているものの、「中国エレクトロニクス市場の重要性が高まっていることを示している」と分析している。

なお、同社の主席アナリストである山地正恒氏は、「2016年、BBKは急成長を遂げて半導体消費も増加したが、その異常な急成長ぶりは、中国のビジネスがいかに変化しやすいかということを如実に物語っている。半導体ベンダ各社のハイテク製品マーケティング担当責任者は、自社の大手顧客のリスクを考慮するとともに、顧客ベースの多様化を常に図るよう努める必要がある」と述べている。

(服部毅)