最側近のひとり野田氏

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「都民ファースト」を掲げる小池百合子東京都知事(64)だが、その実態は「自分ファースト」が透けて見える。

 先頃の千代田区長選では“ドン内田”との対立演出のために多選批判を抱える候補を担ぎ、「小池新党」と共に都議会の過半数を狙う公明党に配慮した「政局利用」(都政担当記者)の予算を発表。さらには、小池氏のある側近の悪評も持ち上がっていた。

「政務担当の知事特別秘書の野田数(かずさ)さんです。『小池塾(希望の塾)』の事務局長も任されていて、小池さんの最側近のひとりなんですが……」

 と、都庁関係者が眉をひそめる。43歳の彼は小池氏が保守党の国会議員だった頃に秘書を務め、その後、都議を経てアントニオ猪木参議院議員の秘書に転じるなど、親分である小池氏同様、有為転変の政治人生を送ってきた。

最側近のひとり野田氏

「総選挙での落選経験があり、不遇な時期もあった野田さんは今、小池特別秘書として、トラの威を借る狐になっているのではないかと感じますね」(同)

 40代前半は政治の世界ではまだ「ひよっこ」。若さゆえに、急に権力を目の前にして増長してしまうのは古今東西を問わない世の常ではある。ましてや、当代きっての人気者、小池百合子「大都知事」の番頭なのだから、

「野田さんは、『最近、飲み会が続いて太っちゃって、着られるシャツがなくなった。だから、黒いシャツばかり着てるんだ』と言っていた。『なんか、フィクサーみたいですね』とまぜかえされると、満更でもない様子でしたね」(都政を取材するジャーナリスト)

 こういった「忙しい俺って大変でしょ?」自慢程度なら若気の至りのご愛嬌として受け流せるものの、いくら威勢がいいからといって、次のように周囲を震え上がらせるのは「元気」の域を超えていると言えよう。

■「都議選では知事を…」

「昨年11月のことです」

 こう振り返るのは、私立高校授業料無償化の「当事者」である一般財団法人「東京私立中学高等学校協会」の関係者だ。

「その月の21日に、私どもの協会の70周年記念式典があり、そこに小池知事も出席されるとの返事をいただいていたので、5日ほど前に式次第を持参し、協会の幹部が都庁に挨拶に伺ったんです。知事はお忙しいので野田さんが応対したんですが、まずノーネクタイで偉そうだなとの印象を幹部たちは抱いたそうです」

 確かにクールビズの産みの親は小池氏ではあるが、期間は5月から9月までで、秋風の吹く霜月は対象外である。そして、

「挨拶後に幹部たちが着席した途端、野田さんは『来年の夏には都議選があります。その時は知事が推す候補を応援してくれないと困ります』『あなたたちの協会は自民党に近いですよね』と言ってきたんです。その上、『今後、予算の要望は自民党ではなく、小池知事にお願いします』と畳み掛けてきた。話の流れからして、都議選で知事陣営を応援しなければ私立中高関連の予算を切ると脅してきたも同然です。知事側近の野田さんの言葉ですから、私どもにしてみれば知事本人に宣告されたに等しい。こんな露骨な対応をされたのは初めてです」(同)

■「ターゲット」に

 当の野田氏は代理人を通じて、

「陳情を受けたことは間違いありませんが、内容についてはニュアンスが異なります。(予算カット等)それに近い趣旨の発言はしておりません」

 こう回答したが、都民ファーストで売る知事の側近ならば、少なくとも相手方の受け止め方への配慮は欠かせまい。「親」も親なら「子」も子、というのも世の常で、小池氏の足元にも「自分ファースト」が垣間見えるのだ。なお、この協会については後日談があり、

「昨年12月12日、小池知事が各団体から要望のヒアリングを行っていますが、私どもの会長は所用があり、副会長が出向いた。すると、わずか15分のヒアリングの間に2回も『会長が来られないで残念です。次回は必ず、会長がいらしてください』と嫌味を言われてしまいました。自民党に近い団体として私どもを『ターゲット』にしているんでしょうね」(前出の協会関係者)

特集「反内田なら悪魔とだって手を組む覚悟『小池百合子』都知事は『自分ファースト』実例集」より

「週刊新潮」2017年2月9日号 掲載