中国の公安当局が、中国と北朝鮮でキリスト教の布教活動に携わって来た韓国系米国人の牧師ら4人を逮捕したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉市に在住する情報筋によると、今月9日、米国国籍のパク・ウォンチョル牧師、中国人のキム伝道師(朝鮮族)、ソン伝道師(漢族)、韓国人のキム氏の4人が延吉市内のホテル徳銘賓館で逮捕された。

このうちパク牧師は、2月の第1週に韓国から延吉入りし、9日の飛行機で韓国に戻ることになっていた。ところが、ホテルを発つ直前の午前10時半ごろ、私服警察に部屋に踏み込まれ、他の3人と共に逮捕された。パク牧師の所在については現在、北京の米国大使館が確認中だ。

米国籍のパク牧師は、10年前から中国と北朝鮮での布教活動に携わっており、数年前から延吉を頻繁に訪れていた。一昨年には、米国のキリスト教系支援団体の関係者と共に北朝鮮を訪問している。

一方、韓国外交省関係者は、中国当局はキムさんを出入国規定違反容疑で逮捕し、行政勾留5日の処分を下したと明らかにした。現在、瀋陽の韓国領事館が詳細を把握中だ。

北朝鮮での布教活動に関わっている宣教師は、韓国の国民日報の取材に「キムさんは脱北者で、北朝鮮に強制送還されるおそれがある。韓国政府は積極的に動いてほしい」と述べた。

中国は、信教の自由を認める一方で、国の公認を得た宗教団体以外の活動や、外国人の布教活動を禁止している。当局は昨年末、延吉市に住み、脱北者を支援していたり、キリスト教の布教活動を行なっていた韓国人30数人を事実上の国外追放にしているが、今回の逮捕もその一環とみられる。

一連の逮捕、追放に、北朝鮮と中国の協力関係があるかどうかは定かではないが、両国ともにキリスト教関係者に対する締め付けを強めている。

現地の別の情報筋によると、吉林省の長白朝鮮族自治県では、私服姿の北朝鮮の保衛省の要員(秘密警察)を頻繁に見かけるようになった。彼らは脱北者はもちろん、キリスト教の布教活動に携わっている中国人の拉致監禁を行っていると言われているが、中国当局は積極的な介入を避けている。

この地域では昨年4月、ハン・チュンニョル牧師が何者かによって殺害される事件が起きている。

また、2014年11月には、教会の執事を務めていた中国人のチャン氏が北朝鮮の保衛部員に拉致される事件が起きている。チャン氏は、労働教化刑(懲役)15年の宣告を受けて、現在北朝鮮の教化所(刑務所)で服役中だ。