(撮影:日本蹴球合同会社)

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13日、Jリーグキックオフカンファレンスには、J3に所属するU-23各チームを除く全チームの監督、チームを代表する選手が集まった。J1からJ3までの全54クラブが、開幕戦の相手と隣のブースに並び、今年のJリーグのスタートを盛り上げようとしていたのだが、悲哀を味わうクラブもあった。

J1とJ2は部屋の中にブースが作られた。だがJ3はスペースの関係で部屋には入れず、ロビーにブースを設置し報道陣を待つことになった。さらに、U-23チームが参加しなかったことで、開幕戦のカードとは違う相手と隣り合わせになるクラブもあったのだ。

その一つが鳥取だった。今年就任したのは、元日本代表の森岡隆三監督。「選手に注目してほしい」と知り合いの記者に声をかけていたが、記者たちはしばらく話を聞いた後、どうしても部屋の中に入っていく。

「さみしいっすよ。もう少し(記者の数が)ほしいですよ」。そう言いながら口を尖らせる。「U-23の選手も監督も来るべきだと思うよ。J3でやってんだからさ。それで昇格チームの邪魔するわけでしょ」

長らくJ1でプレーし、京都ではJ2も経験した。そして初めての指揮をJ3で執ることになった。ディヴィジョンの違いに戸惑いもありそうだ。

「J3がこういう現状だというのが日本サッカー界の現状だと思います」。寂しそうにそう言いながらも、野望は大きく持っているようだ。

「下のほうのリーグが盛り上がっていかないと、上のほうも盛り上がっていかない」
「厳しい環境だと、より地域との一体感も生まれる場所」
「より地域の心の支えになるというのは小さいから余計にやりやすい部分がある」

森岡監督はそう思って就任したそうだ。もしかすると、サッカーの世界で働き出して最も低い年俸かもしれない。自分で洗濯するのは当たり前で、自炊は森岡監督も含め選手もこなしているのだという。身体のケアも自己責任が当然だ。

「プロである以上、お金やいい環境はすべて勝ち取っていくものだから。それは自分だけじゃなくて、選手も一緒です。だけどそれだけじゃなくて、こういう環境でも純粋にもっと上手くやりたい、サッカーを追求したいという選手が集まっている。そこにはやり甲斐を感じます」

そう感じていたにしても、J3のこの扱いには不満も大きかったことだろう。森岡監督の闘争心には火がついていた。もしかすると、それがJ3をロビーに追いやった狙いだったのかもしれない。



【日本蹴球合同会社/森雅史】