韓国カカオ、空前の好決算 メッセージで国内シェア9割突破 

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韓国のIT大手、カカオの売上高が初めて1兆ウォン(約1,000億円)を突破した。同社が2月9日に発表した2016年12月期の連結決算は、売上高が前期比57.1%増の1兆4,600億ウォン(約1,400億円)、営業利益は前期比31.1%増の1,161億ウォン(約115億円)だった。ゲームと音楽コンテンツが好調だった。

韓国のIT業界は、この一年ほど成長が鈍化傾向にあるが、カカオはオンデマンドサービスやリアル店舗向けサービスなどを立ち上げ、事業領域を拡大し続けている。同社は好業績を背景に、新たにAI開発に乗り出している。

カカオトークは韓国で利用率99%

カカオは、2010年にキャラクタースタンプで人気のメッセージアプリ「カカオトーク」をリリースした。ライバルのネイバーが、傘下のLINEを日本や東南アジアの一部で成功させたのに対し、カカオは韓国市場に照準を絞って独占的シェアを獲得した。今では、韓国におけるメッセージアプリ利用者の99.2%がカカオトークを利用しているというデータもある。それに対し、フェイスブックメッセンジャーは29.2%、LINEは13%となっている。

カカオはスタンプ販売やモバイル用ゲームプラットフォームで成功をおさめた後、韓国最大級のポータルサイトであるダウムと合併して上場企業となった。「オンライン・ツー・オフライン(O2O)」サービスにも乗り出し、タクシーの配車サービスや美容室の予約サービスを立ち上げたほか、韓国最大の音楽配信サービス「MelOn」の運営会社を買収している。今や、カカオは生活のあらゆる分野においてモバイルサービスを提供している。

しかし、無料のO2Oサービスを拡大したことが足かせとなり、カカオの利益は大幅に減少した。昨年3Qの音楽ストリーミングを除いた利益は、前年同期比で60%減の104億ウォンだった。また、カカオに事業アイデアを盗まれたと訴えるスタートアップも現れ、最近ではO2Oを縮小してプラットフォーム事業に経営資源を集中させていた。

カカオは昨年、運転代行サービスを提供する「カカオドライバー」をリリースしており、今後はカカオトーク上でコンテンツ配信や予約サービス、ショッピングなどのサービスを提供することを明らかにしている。また、駐車アプリや韓国で初となるネットバンクを今年前半にリリースする予定だ。同社は、昨年ソウル市内にキャラクターグッズなどを販売する実店舗「カカオフレンズショップ」をオープンし、908億ウォンを売り上げた。来店客は、子供よりも大人の方が多いという。

人工知能事業「カカオ・ブレイン」を始動

2014年のダウムとの合併以来、カカオは韓国でネイバーと互角の争いを展開している。ネイバーは、昨年LINEが日米同時上場を果たすなど、海外事業が牽引して2016年の売上高は4兆ウォンを突破した。最近ではスナップチャット風の画像アプリ「SNOW」も大ヒットしている。

カカオは今月、キム・ボムス会長の肝入りで、AI開発を手掛ける子会社「カカオ・ブレイン」を設立した。ネイバーも最近「ネイバー・ラボ」を設立し、先端技術の開発を進めている。

当初、Webサービスが中心のネイバーはモバイルファーストのカカオに後れをとっていたが、最近では自動運転技術やAI、ニューラル機械翻訳技術の開発で猛追している。昨年8月にはグーグル翻訳に対抗する翻訳アプリ「Papago」をリリースし、これまでに200万ダウンロードを達成している。これに対し、カカオは法人顧客向けにカカオトーク上で決済や顧客の問い合わせ対応ができるAIチャットボットを提供する予定だ。

カカオとネイバーは、最先端技術で先行するシリコンバレーのIT大手に追いつくための体勢を急速に整えつつある。両社の競争によって、韓国の消費者は今後キャラクターグッズだけでなく様々な新サービスの恩恵に与ることができるだろう。