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By Beth Scupham

地球温暖化や大気汚染、森林伐採といった環境が近年話題になることが多いですが、人間がどの程度地球の環境に影響を与えているかは実際のところよくわかっていません。しかし、オーストラリア国立大学の研究チームが、人間の活動による地球への影響を数値化することができる「方程式」を編み出し、人類による気候変動への影響がどれくらいなのかを明らかにしました。

The Anthropocene equation - Feb 10, 2017

http://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/2053019616688022

Simple equation shows how human activity is trashing the planet | New Scientist

https://www.newscientist.com/article/2120951-simple-equation-shows-how-human-activity-is-trashing-the-planet/

Humans causing climate to change 170 times faster than natural forces | Environment | The Guardian

https://www.theguardian.com/environment/2017/feb/12/humans-causing-climate-to-change-170-times-faster-than-natural-forces

ノーベル化学賞を受賞したドイツ人のパウル・クルッツェンは、地球が「人新世(ひとしんせい)」という新しい時代に入ったと定義しました。「人新世」というのは、人間の活動が地球に大きな影響を与えるようになった近年の地質学的な時代のことで、この時代では人間が地球に与える影響が、自然が地球に与える影響と同じくらいあると定義されています。



By ashley.adcox

オーストラリア国立大学の研究チームを率いたオーウェン・ガフニー教授によれば、過去45億年の間で「地球システム」に最も大きな影響を与えていたのは、紛れもなく天文学的および地球物理学的な要素とのこと。この「地球システム」というのは、大気・水圏・氷圏との相互作用を含む生物圏であるとガフニー教授に定義されています。しかし、人新世が始まった約60年前から、人間の活動が地球システムに例外的に急速な変化をもたらしており、ガフニー教授は「人間の活動が地球に与える影響は自然が地球に与える影響に匹敵するレベルになっている」と話しています。

では人間はどれくらい地球システムに影響を与えているのか、これを調べるためにガフニー教授らは地球システムの変化率を計算する方程式「Anthropocene Equation(人新世方程式)」を作り出しました。

ガフニー教授らが編み出した方程式。ガフニー教授によると、過去40億年の間、地球システムの変化率(E)は天文学(A)と地球物理学(G)と内部力学(I)の複雑な関数だったとのこと。方程式の「H」は「工業化社会の関数」を意味しています。



ガフニー教授によれば、方程式で天文学(A)と地球物理学(G)、内部力学(I)は影響がかかるまでの時間が長かったり、影響を与えるような事象が発生しにくかったりするため「0」に収束するとのこと。この3つの要素による地球システムの変化率を大気の上昇温度で表すと「1世紀当たり0.01度」になるそうです。

しかし、過去45年間に絞ると地球システムの変化率は「1世紀当たり1.7度」まで上昇。これは人間の活動による影響が地球の気候の変化を170倍早めたことになるそうです。ガフニー教授は「人為的なことが原因で起こる気候変動を減少させなければ社会崩壊を巻き起こす可能性がある」と結論づけています。