アビスパ福岡残留を決断したDF亀川諒史

写真拡大

 チームはJ2に降格した。自身にはJ1クラブからのオファーも届いたようだが、アビスパ福岡DF亀川諒史は残留を決意し、1年でのJ1復帰を目指すことになった。その裏には指揮官、そしてチームに恩返しをしたいという強い気持ちがあった――。

 昨季、自身にとって13年以来、3年ぶりにJ1の舞台で戦った。リオデジャネイロ五輪代表の一員としてチームを離れた時期はあったものの27試合に出場。しかし、チームは最下位でJ2降格となった。「J2の戦いに比べ、J1ではチームとしてなかなか攻めることができなかった。チームとしても個人としても通用しなかった部分が多かったと思う」と当時を振り返り、悔しさを滲ませる。

 五輪代表としてもプレーした23歳の伸び盛り。獲得のオファーも届き、「新シーズンからチームがどこになるか分からない状況もあった」ようだ。その時に声を掛けてくれたのが福岡を率いる井原正巳監督だった。

「個人的に井原さんに呼ばれて話をしてもらった。そういうところで信頼を感じたし、恩返しをしなければいけない気持ちが強くなった」。そして、「五輪に出場できたのも、本当にこのチームに来て、このチームがあったからこそ」とクラブへの恩も残留を決断した理由だと続けた。

 同世代のFW金森健志は鹿島に新天地を求めた。当然、「サッカーをやっている以上はトップレベルでやりたい気持ちがある。健志の判断は間違っていない」とステップアップしようとする姿勢には理解を示す。しかし、亀川は福岡に残った。だからこそ、相当の覚悟を持って新シーズンを迎えようとしている。

「僕自身が残ると決めた。今年、福岡で戦うと決めた以上、絶対に一年でJ1に上がらなければいけないという強い意志がある。自分の決断が間違っていなかったと証明できるのはJ1昇格という結果だけだと思っているので、それを達成できるように死ぬ気でやっていきたい」

 福岡のために戦うと覚悟を決めた亀川は、「井原さんに任された」と今季から副キャプテンを務める。指揮官、クラブに恩返しをするため、そして自身の決断に間違いはなかったと証明するため、チームの先頭を走りながらJ1昇格だけを目指す。

(取材・文 折戸岳彦)