安全なプレゼントは清潔な台所から、ということか

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2月14日はバレンタインデー。気持ちのこもった手作りチョコをあげたり、「もらえるかな」と期待したり――。一方で、「他人が作った食べ物は、不衛生そうで口にしたくない」という人がいるかもしれない。

せっかくの「思い」にケチをつけるのは無粋かもしれないが、それでもやっぱり、食中毒のリスクはゼロではないとしたら......。少しでも「安全」な手作り菓子を用意するための注意点を考えてみた。

「手作り菓子で食中毒」統計上は?

厚生労働省が毎年発表している「食中毒発生状況」によると、ここ数年は全体の約6割を飲食店が占め、家庭は1割程度、製造所や販売店は0.1〜0.2割といった状態だ。

統計上は家庭での食中毒は少数に見えるが、これはあくまでも嘔吐や下痢など重篤な症状を見せ、病院などに搬送された人の割合に限られる。厚労省は、家庭で発生するリスクが低いわけではなく、家庭で発生すると症状が軽く、風邪と勘違いされたり、発症者が少人数で食中毒が原因の体調不良かどうか判断できないためだとしている。

食中毒だと気がつかずに放置し、結果として重症化する事例もあるようだ。自分が送ったプレゼントで誰かを食中毒にしてしまうわけにはいかない。少しでも食中毒の危険性を下げる方法はないのだろうか。

例えば焼き菓子なら、食中毒の原因となる菌やウイルスが殺菌できるように思える。

J-CASTヘルスケアが東京都内のある保健局に電話取材をしたところ、担当者は、

「確かに、焼き菓子であればカンピロバクターや黄色ブドウ球菌といった細菌はほぼ死滅するので、細菌性の食中毒予防効果は期待できます」

と話した。焼いたことで水分が少なくなっているため、あとから細菌が付着しても、増殖を抑制できるかもしれないという。

「ただし、ノロウイルスなどのウイルスに関しては、焼きあがったお菓子の粗熱を取るためにテーブルの上に放置したり、風を送ったりした際に付着する可能性があります。実際、ノロウイルスの感染源として、焼いたパンが少なくないというデータもあります」

と注意を促した。焼いてあるから確実にリスクが低いとは言えない。焼いてはいるが、菓子の中に生クリームやカスタードクリームが入っているとそこで細菌類が繁殖する、といった例もありえると指摘した。

それでも、手作り菓子によって食中毒が起きたという報告が統計的に多いわけではなく、過度に心配する必要はないのではないかとしたうえで、こう続けた。

「お菓子での食中毒を心配するより、身の回りの手洗いや調理器具の消毒を徹底したほうがいいでしょうね」

台所の消毒、手洗い、食材の冷凍保存や加熱を

では、手作り焼き菓子の包みの中に、乾燥剤や脱酸素剤などの鮮度保持剤を同梱させるのはどうだろうか。乾燥状態や無酸素状態が維持され、より安全なようにも思える。

鮮度保持剤メーカーの鳥繁産業(本社・大分県)に取材すると、

「鮮度保持剤は、お菓子の鮮度や風味に影響を与えるカビなどの繁殖を防ぐもので、食中毒の原因菌には効果がありません。食中毒予防の観点であれば、台所の除菌や殺菌を徹底する方が効果的ではないでしょうか」

と、やはり身の回りの衛生管理が重要だと答えた。

内閣府食品安全委員会のウェブサイトで確認できる「食中毒のリスクについて」では、科学的根拠のある食中毒リスクの低減が期待できる行為として「手や食材は洗う」「材料は低温(冷蔵、冷凍)保存する」「卵や牛乳などたんぱく質が豊富なものは必ず加熱する」「加熱後の保存状態も注意する」の4点が挙げられている。