Q:目の中にノコギリの歯のようなギザギザが見えることが時々あります。そのギザギザは動き、数分程度で消え、他の症状を伴うことはありません。パソコン作業中やお酒をたくさん飲んだ後などに現れます。目の病気が原因でしょうか。なお、私はタバコを吸うせいか、すぐに息切れがします。
(58歳・広告制作会社経営)

 A:ご質問の方の症状は「閃輝暗点」と言われる目の異常です。普通は片頭痛の前兆としてみられます。視界の中心あたりにチカチカと輝く光や、キラキラとした稲妻のような光が現れ、目の前が見えづらくなります。このような症状が20〜30分続き、それが収まった後、片頭痛が始まります。
「閃輝暗点」は、視中枢がある脳の後頭葉に血液を送っている血管が痙攣を起こし、その血管内を流れる血液が減少するために現れます。

●背景に心不全があることも
 ところが「閃輝暗点」は、片頭痛とは関係なく起こるものもあります。最も多いのは、水分不足(脱水)による脳循環障害によるものです。
 また、脳腫瘍、脳梗塞、脳動脈奇形や血栓による脳循環障害が原因で起こることもあります。いずれの場合も症状は一過性です。
 片頭痛が原因でない場合、多くは水分不足によりますが、背景に心不全がある場合が多いようです。心不全になると、心臓の働きが弱くなっていて、全身に血液を送り出す力が低下しています。
 脳にも十分な血液が送り込めないため、脳は血液不足、水分不足になります。血流量が減ることによって「閃輝暗点」が現れると考えられます。
 この他、「閃輝暗点」は、目の病気では、網膜剥離が起きる一歩手前で起きることもあります。これは網膜が刺激されているためです。
 ご質問の方は、お酒を飲んだ後に症状が現れることなどから、水分不足が関係していると考えられます。すぐに息切れがするとのことから、背景に心不全があるかもしれません。
 普段から水分の補給を心がけ、脱水しないようにしてください。特に、お酒をたくさん飲んだ後は脱水に注意しましょう。そして一度、眼科と循環器科を受診してください。

山口康三氏(回生眼科院長)
自治医科大学卒業。眼科医、漢方内科医。食事、運動、睡眠などを改善する生活改善療法を指導し、眼科の病気や生活習慣病の治療に成果を挙げている。日本綜合医学会理事長。