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By rankmedia

まだ使用したことがないどころか、手元にすら届いていない新しいクレジットカードの情報を、ユーザーよりもAmazonが先に知っているという奇妙な出来事が起きました。

How did Amazon know my new Visa card information before me? | Money | The Guardian

https://www.theguardian.com/money/2017/jan/12/how-amazon-know-new-visa-card-information-before-me-natwest



イギリスのThe Guardianで働くアンナ・ティムスさんが、クリスマスにAmazonでショッピングをしていたところ、自身のアカウント上にこれまで見たことも使用したこともないクレジットカードが登録されていることにきづきました。ティムスさんはAmazonアカウントに支払い用のクレジットカードを1枚のみ登録していたそうですが、これまで使用していたカードと見知らぬカードの2枚が登録されていたそうです。なお、使用していたカードは月末で有効期限が切れる予定ではあったものの、その時点では問題なく使用できました。

ティムスさんがこの正体不明のカードについてAmazonに問い合わせたところ、「新しいカードがアカウントに追加されました」という返答のみで、その他の詳細については一切説明がなかったそうです。



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この時、それまで使用していたクレジットカードの有効期限が切れるところだったので、ティムスさんはカードを更新したそうです。カードを作成した際に実家の住所を登録していたため、新しいカードは両親の元に送られることとなります。ティムスさんは新しいカードが届いた際に両親にカード番号および有効期限を確認してもらったところ、Amazonアカウントに登録されていた見知らぬカードの下4桁とカード番号が一致し、有効期限も同じだったそうで、「正体不明のカード」は「自身の新しいクレジットカード」であったことが発覚します。

この事態を不思議に思ったティムスさんは、ナショナル・ウエストミンスター銀行(NatWest)のカードを使用していたのでNatWestに問い合わせたところ、「Visaに問い合わせるように」と案内されます。そしてVisaに電話で問い合わせたところ、なんと即座にNatWestへ転送されてしまったそうです。NatWestの広報担当は、自動で新しいクレジットカードが登録されていたことを「奇妙な出来事」であり、「Amazonが詳細を調査するべき」というティムスさんの意見に賛同してくれたそうです。なお、Amazonにも問い合わせを行ったそうですが、「Amazonはまったく役に立たなかった」とティムスさんは語っています。



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この時、問い合わせでやり取りした誰もが「なぜ新しいクレジットカードの情報をAmazonが知っていたのか?」について知らなかったわけですが、その答えはVisaが提供する「VAU(Visa Account Updater)」というサービスに隠されていました。VAUというのは、加盟店が口座番号や有効期限を含むカード会員情報の自動更新を受け取ることができるサービス。つまり、Amazonがなぜ新しいクレジットカード情報を知っていたのかというと、「VAUにより更新後のカード情報が自動で更新されたから」というわけです。

VAUは「カード情報が自動更新される」ということで不気味なサービスに思えるかもしれませんが、カードの有効期限切れによる支払いの不履行をなくすためのもので、小売業者と顧客の双方にとって便利なサービスでもあります。また、VAUを導入するにはカード情報をセキュアに保管できるようにPCIデータセキュリティスタンダードを遵守する必要があり、その安全性も折り紙付き。加えて、同様のサービスがMasterCardでも提供されており、ほとんどの主要な小売業者がVAUやMasterCardの同様のサービスを利用しているそうです。

なお、このサービスを利用しないようにするためには銀行経由で所定の手続きを行う必要があります。