外国人には蕎麦をすする音は不快?(depositphotos.com)

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 日本人が「麺をすする音」が一部で論議を呼んだ略称「ヌ―ハラ」こと、「ヌードルハラスメント」問題――。日本に来た外国人が、日本人の蕎麦やラーメンをすする音を嫌悪するということで話題になった。

 昨年11月中旬ごろに突然、フジテレビ系の情報番組『ユアタイム』と『とくダネ!』が相次いで特集し、これは流行語大賞級の盛り上がりをみせるかと思いきや、その後はとんと聞かず終い。

 特集内の街頭インタビューでは訪日中の外国人観光客を直撃し、イヤホンですすり音を聴かせては率直な感想を尋ねていた。北欧からの老夫妻は「ブタ(の鳴き声)よ!」と応え、他にも「掃除機かな?」とか「トイレを流す音じゃない?」「なんとも不快な音だね」などなど、概ね嫌悪感を表明する意見が多かった。

 一方、両番組のMCは「私は絶対すする」(市川紗椰さん)、「日本の食文化を外国人にとやかく言われる筋合いはない!」(小倉智昭さん)と、郷に入れば郷に従え派を表明。

 微妙な立ち位置のデーブ・スペクターさんも、自身は「白々しく思われるからやらない(すすらない)」と前置きしつつも「食文化ですから配慮するのはおかしい、遠慮はやめたほうがいい」と日本文化擁護的なコメントを残した。

 さらに『とくダネ!』放送翌日のネット上には「蕎麦の茹で汁を平気で飲む彼氏」と題された女性からのドン引き投稿が掲載されて、こちらは内外ではなく東西で異なる食文化の違い(関西では「蕎麦湯」を飲む習慣がない)が話題を呼んだが、こちらも尻すぼみ気味に数日間で鎮静化した。

8年前の「蕎麦破局」にヒントが

 ところが先日、フジテレビ系『バイキング』(1月30日放送分)で再々度、あの「ヌ―ハラ」問題がぶり返された。

 当日のゲストの1人が、王貞治氏の次女でタレントの王理恵さん。折しもハワイ極秘旅行かと報じられた川谷絵音さん(ゲスの極み乙女。)とほのかりんさんの話題を議論中、MCの坂上忍さんが理恵さんにこう話をふったのだ。

 「王さんも過去に、面白い方と付きあって騒動になったことがあったとか。噂によると、蕎麦の食べ方が気に入らなかったとか!?」
 
 2008年、理恵さんは兼ねてから交際中だった精神科医との婚約解消を突然公表し、その理由の一つが「(相手医師の)蕎麦をすする音がイヤだった」とのことから、当時は「蕎麦破局!」の文字がスポーツ新聞の紙面に大きく躍った。

 MC坂上から突如、およそ10年前のこの話題をふられた理恵さんは「そこばかりがフューチャーされてアレなんですけど......婚約していた方と結婚しなかったというのはありました(苦笑)」と応じた。

 すかさず、東国原英夫さんが「蕎麦は音をたてちゃいけない派ですか?」と話題を混ぜ返すと、「いや、違います。すするのはいいんです、私もすすります」と理恵さん。

 それに続けた彼女の一言が10年前の破局騒動の仰天真相というか、ヌ―ハラ問題の盲点をも突いていたので、スタジオ内は一瞬騒然とした。

 理恵さんいわく、「音にもいろいろあるじゃないですか」――。これには潔癖症で知られるMC坂上も「そこ!? 面倒くせぇ〜なぁ」と苦笑せざるをえず、再び場内は和んだが、テレビの前で「わかる、わかる、そこなんだよねぇ!」と思わず膝を叩いた視聴者も少なくないだろう。
食べ方は生き方そのものか?

 発言の前後関係が端折られて、見出し映えする部分のみがクローズアップされるのはマスコミ報道の常でああるが、当時の破局記事を丁寧に読み返せば、理恵さんは「すする音」の内実をこう説明している。

 「そこに人間性や生き方が出るので......」「人生を共に歩むパートナーとしては無理だと思った」と、すでに当時から食事中の音に関して本質的な問題を述べていたのだ。

 思い返せば例のヌ―ハラ問題、2020年東京五輪を控えての「やや過敏気味なおもてなし現象」の一端と思えなくもない。

 「音のたてて食べること」自体が世界の食卓マナー相場では異例中の異例だとしても、外国人観光客をもてなすためにインド国民が手で食べる習慣を改めたり、中国人が食べ残す礼節をやめたり、韓国人社会がいきなり食器を手で持って食べ物を口に運ぶ日が訪れるとは思えない。

 しかし、「すする行為」は伝統や食文化の問題として一件落着をみても、王理恵さんが我慢できなかった「音」の問題は個人と個人(あるいは家と家)の育ちや躾、未来を左右しかねない価値観(結婚観や人生観)をも包括するだけに侮れない。

 「たかが音、されど音」でありながら、王さんの例をあげるまでもなく、カップルの破局例は巷間ありがちな光景ではなかろうか。

 ところで、あなたが日々の食事中に<クチャクチャ、ピチャピチャ、ズルズル>と無意識に発している「音」は、同席者の誰かを不快にさせてはいないだろうか?
(文=編集部)