スペインキャンプでは世界の強豪チームと対戦。選手個々、チームとしてやるべきことをやれば「良いサッカーができる」と手応えを得たという。 (C)SOCCER DIGEST

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[トレーニングマッチ(45分×4本)]湘南2-3山形/2月12日/馬入ふれあい公園
 
「今日はやってやるぜ、という感じだったので、勝てなくてすごく悔しいです」
 
 スペインキャンプ後、初の実戦となった山形との練習試合に敗れ、高山薫は唇を噛んだ。2本目途中からの登場でプレー時間が短かったとはいえ、出場直後には自身の左サイドから決定機があったこと、そして何より、遠いスペインの地で積んできたトレーニングに自信があるからこその冒頭の言葉だろう。
 
「スペインでは、ルビン・カザンやロコモティブ(モスクワ)、北京国安といった有名なチームとやれて、チームもしっかり勝てた(編集部・注/ルビン・カザン戦:●1-2、ロコモティブ・モスクワ戦:〇2-0、北京国安戦:〇3-1)。(ペルー代表のジェフェルソン・)ファルファンとか(クロアチア代表のヴェドラン・)チョルルカとか代表クラスの選手は能力が高くて学ぶことも多かったし、チームとしてのやるべきこと、個人のストロングポイントを出せば良いサッカーができるなと。今、俺たちは本当に良いチームだと思います」
 
 6年目の指揮を執る者貴裁監督は、攻撃的で走る意欲に満ち溢れたアグレッシブで痛快なサッカーという「湘南のDNA」を大切にしつつも、「半歩、一歩ずつ前に進んでいくことが僕のミッション。選手を生き生きさせる、躍動させられるようにしたい」とコメントしている。ただ、今季2年ぶりに湘南に復帰した秋元陽太が「選手たち自身で考える力がついてきている」と話すように、監督に言われる前に自分たちでコミュニケーションを取り、改善を図る習慣が根付き始めているようだ。
 2年連続でキャプテンを任される高山も、「“声”が大事」と説く。昨季は「俺がそんなことをしていいのかな」と、チームをまとめる行動に注力できなかったというが、降格争いのなかで自分に何ができるのか、改めて考えさせられたと振り返る。
 
「勝てなくて苦しい想いをしていたなかで、やれることはたくさんあったと思うけど、去年の俺にはそれは無理だった。去年いろいろ経験して、自分に足りないところを感じました。だから今年は、コミュニケーションを積極的に取るとか、自分がこれまでやってこなかったようなことをどんどんやっていこうかなと。キャプテンだからと考えすぎるのは俺らしくないけど、それはキャプテンじゃなくても大事なことだし、選手としても、人間としても成長できると思うから」
 
 そういった取り組みは早くも実を結んでおり、新加入の野田隆之介は、「薫は同い年だし、良い雰囲気を作ってくれているので助かっています」と感謝の言葉を口にする。
 
 自分らしいキャプテン像を追い求めて――。高山薫は今季もチームの先頭に立って、湘南スタイルを体現していく。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)