目敏い人がやっている「VIXショート」ってなんだ?

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トランプ旋風で活況を呈する市場において、もっとも手堅く、大きなリターンを稼ぐ方法はないのか――国内外の金融商品を日夜研究する個人投資家が出した結論は、「VIXショート」という手法だった。年利50%という驚異のパフォーマンスさえ狙えるという、その仕組みとは!?

◆VIXショートで年利50%を目指せ!

 世にある数多の金融商品を吟味し、実際に投資しながらポテンシャルを見極めていく。

 そんな投資スタイルを貫く玉井俊太郎氏がVIXショートに気づいたのは、今から3年ほど前のことだった。

「VIXとは、別名・恐怖指数とも呼ばれ、マーケットに暴落の気配が漂ったときに急騰します。シカゴ先物取引所がS&P500の変動幅をもとに算出しており、数値が高いほど危ないとされる。このVIX指数と連動した『iパスS&P500 VIXショートタームフューチャーズETN(VXX)』という証券がアメリカで発行されており、売り買いできるのですが、これを急騰時にショート(売り)する手法を試したところ、相当な確度で利益を得ることができる、という結論に至りました」

 VIXショートだけで生計を立てる猛者も 玉井氏がVXXの存在に気づいたとき、周囲の投資家仲間を含めて取引している人間は皆無だった。

 だが、調べれば調べるほど、投資妙味に優れていたという。

「日本人の間ではサッパリでしたが、海外の投資サイトを隈なくみると、VXXのショートはすでに認知され始めてました。価格を左右するVIX指数とはVolatilityindexの略称で、将来のボラティリティへの保険料のようなもの。平時は15〜20の間を推移しますが、市場に先行き不透明な恐怖感が漂うと上昇し、イギリスのEU離脱時は26。歴史をさかのぼると、’01年のアメリカ同時多発テロでは44、’08年のリーマンショック時には89まで上昇しました」

 ここで、特筆すべきはVIXの値動きに特性があることだ。急騰したVIXは過去の統計を見る限り元通りの数字に収束するのが常で、だからこそ高値をつけた時に売りで入る手法が生きてくる。

「前述したように保険料の意味合いが強いので、嵐が過ぎるのを待てばいい。VXXのチャートは、急騰後はキレイな曲線を描きながら時間に沿って下落していきます。世界には100万種以上の金融商品があると言われていますが、私が見てきた限り、こんなにキレイなチャートを描くのはこれだけだと思う」

’16年、玉井氏は5回ポジションを保持しているが、すべてプラスという成果を収めている。過去の統計から試算するならば、月利5%、年利65%の収益が見込めるといい、事実玉井氏は昨年1000万円ほどを動かし、約590万円もの利益を上げているのだ。

◆ブレグジットでは予想を外すも全ポジションで黒字

 将来的な下落が確実視されるとはいえ、どのタイミングがピークかを見極めることは困難。よって、上がりきったかな、と思ったタイミングでエントリーしながら様子を見ていく。

「予想に反してさらに上がるときも当然ありますが、慌てずにナンピンしながら調整していきます。昨年6月23日に開催されたイギリスのEU離脱国民投票では『離脱はない』と判断、14ドル付近でショートで入ったものの、反発。一時は26ドル付近まで上昇しましたが、こまめにナンピンして売り増ししていき、7月11日に12ドルとなったところで決済しました。予想は外れましたが、それでもすべてのポジションで利益を得ることができた。重要なのは、ロスカットされないこと。資金管理には細やかな注意が必要ですが、それさえ意識していれば、他の金融商品と比較して難しいとは思いません。ポートフォリオの主軸に置くのではなく、20〜30%程度で運用すればリスクはかなり限定されます」