投資信託のプロが読者のポートフォリオを一刀両断! 分散投資をしたつもりでも、似たような投資信託を 複数保有して成績が悪化するパターンに気をつけよう

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あなたの投資信託は、うまく分散投資できている!? ダイヤモンド・ザイ1月号で大好評だった投資信託の特集「行列ができるダイヤモンド・ザイ投信診断室」が、現在発売中のダイヤモンド・ザイ3月号に再登場! 診断をしてくれたのは、長年投資信託に携わってきた経験を活かし、投資信託を評価するデータベース「ファンド・ラボ」を開発した「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さんだ。

今回は、「分散投資チェック編」と題し、読者の投資信託の資産構成について診断してもらっている。前回に引き続き、今回は4人の読者への診断を抜粋して紹介していこう!

保有投資信託に不安を感じる読者(1)・武田さんの場合
「営業マンに言われるままに購入。今後どうしようか困っています」

★武田美智子さん(仮名・神奈川県・70歳)
特に目的はなく、証券会社の営業マンに勧められた投資信託を購入。15〜20年後に使うことを想定している。ただ、本当にこれで良かったのか。今後どうすればいいのか悩んでいる。

★武田さんが保有する投資信託<投資比率、購入方法>
◎医療の未来[メディカル・サイエンスファンド]<34%、一括>
◎ニッセイオーストラリア高配当株ファンド(毎月決算型)<34%、一括>
◎新光シラー・ケープ日本株式戦略ファンド(リスク・コントロール付)
<33%、一括>

★診断結果(以下、植村さんのコメント)
⇒「70歳の保有投資信託としては問題。安定運用なら先進国債に分散を!」

 基本的に、販売会社は重点販売する投資信託を決め、顧客の個々の事情は勘案しません。武田さんの保有する投資信託がその典型で、分散になっていません。大切なのは、何を目的に投資信託を保有するか。分配金目的か、リスクをある程度取り、中長期で増やしたいか、安定運用をしたいのか。

「医療の未来」は、セクター型で投資時期と売却時期が重要で、長期保有する投資信託ではないでしょう。「新光シラー・ケープ日本株式戦略ファンド」は、下落局面で日本株の比率を引き下げる投資信託ですが、過去の成績は日経平均を大きく下回っています。「ニッセイオーストラリア高配当株ファンド」は、月200円の分配は収益に対して明らかに払い過ぎ。仮に安定運用を目指すなら、先進国債券にも分散するべきです。

保有投資信託に不安を感じる読者(2)・米峰さんの場合
「分配金目的の運用だが、まだ若いのでもっとリスクを取るべき?」

★米峰俊太さん(仮名・新潟県・29歳)
分配金を着実に受け取ることを目的に投資信託を選択。5〜10年後に使うことを目標に運用しているが、今の商品のままでいいのか、疑問も感じている。

★米峰さんが保有する投資信託<投資比率、購入方法>
みずほUSハイイールドオープンBコース(為替ヘッジなし)
<66%、複数回>
◎アジア・オセアニア好配当成長株オープン(毎月分配型)<34%、一括>

★診断結果(以下、植村さんのコメント)
⇒「過払い投資信託を変更すれば、期待リターンも改善!」

 2本とも利子配当収入の数倍の分配金を払っており、基準価額が下落。今、分配金の必要がないならば、受け取る分配金を半分に減らし、今の構成比率はそのままに、新興国株型を「JPMアジア・オセアニア高配当株式オープン」に、ハイ・イールド債券型を「高利回り社債オープン」に変更すれば、過払いは解消され、成績がかなり改善するはずです。

保有投資信託に不安を感じる読者(3)・矢田さんの場合
「中長期での資産成長を狙うには新興国株中心がベストですよね?」

★矢田英之さん(仮名・埼玉県・48歳)
中長期で大きく増やすことを目標に、5つの投資信託を保有。中長期投資といえば「新興国株」というイメージを持つが、果たしてそれで正しいのか心配。5〜10年後に使うことを目的にしている。


★矢田さんが保有する投資信託<投資比率、購入方法>
◎HSBCインドオープン<40%、積み立て>
◎イーストスプリング・フィリピン株式オープン<12%、積み立て>
◎ベトナムでフォー[DIAMベトナム株式ファンド]<14%、一括>
◎マネックス資産設計ファンド〈育成型〉<34%、積み立て>
◎iTrustロボ<0.3%、積み立て>

★診断結果(以下、植村さんのコメント)
⇒「新興国株はインドに偏り過ぎに! 好成績投信への入れ替えも検討を」

 積み立て開始時期の違いか、インド株とバランス型の比率が突出。バランス型を中核資産と位置づけるなら不自然ではないが、アジア株やテーマ型をサテライトとすると、インド株の比率は少し下げたほうがいいのでは。投資先としてアジアに期待するなら、インドネシアを加えるのもありです。

 さらに、「HSBCインドオープン」と「ベトナムでフォー」は、同タイプで成績が悪い投資信託。好成績の「T&Dインド中小型株ファンド」や「ベトナム株式ファンド」に入れ替えれば、成績の改善とリスクの低下が期待できます。

保有投資信託に不安を感じる読者(4)・松永さんの場合
「投資信託の資産構成変更の判断方法を教えて!」

★松永克也さん(仮名・愛知県・56歳)
安定的に資産を増やし、10〜15年後に使うことを目的として運用。ただ、保有銘柄に成績が悪いものがあり、資産構成をどう変更するか悩み中。


★矢田さんが保有する投資信託<投資比率、購入方法>
◎日本厳選プレミアム株式オープン(年2回決算型)<33%、一括>
◎米国バンクローン・オープン〈為替ヘッジなし〉(毎月決算)
<33%、一括>

◎フィデリティ・USハイ・イールドファンド<33%、一括>

★診断結果(以下、植村さんのコメント)
⇒「為替ヘッジ型で安定運用を狙い、同タイプで好成績の投資信託に変更を!」

  問題点は以下の3つ。

(1)バンクローンはハイ・イールド債券の一種なので、ハイ・イールド債券型が3分の2を占める(「米国バンクローン・オープン」と「フィデリティ・USハイ・イールドファンド」)。
(2)「安定的に増やしたい」という目的に、毎月分配型2本が向かない。
(3)日本株型の成績が同タイプ内で悪い。

 これを改善するために、まずハイ・イールド債券型2本は今後の米国の利上げの可能性を念頭に、バンクローン型を残し、1本を新興国債券型、たとえば、「エマージング・ソブリン・オープン」に変更を。また、目的に合わせ、1年決算型か資産成長型に変え、バンクローンも「為替ヘッジあり」にしましょう。

 さらに、日本株型は同タイプ内で好成績の「厳選投資(スパークス・新・国際優良日本株ファンド)」などへの乗り換えがベスト。以上により、リスクも低下し成績アップも期待できます。

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