ベルリンでも熱狂的に迎えられた「T2 トレインスポッティング」 写真:ロイター/アフロ

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 1996年、イギリスで公開されるや社会現象になった「トレインスポッティング」の、21年ぶりとなる続編「T2 トレインスポッティング」がベルリン映画祭で披露され、熱狂的に迎えられた。

 本作はイギリスですでに1月27日に先行公開され、7億を超える週末興行成績を記録した人気作。何年も前から続編制作を考えていたダニー・ボイル監督は、オリジナル・キャストにこだわり、いまや売れっ子となった4人のメイン・キャスト(ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライル)のスケジュールを調整するなかで完成にこぎつけた。

 前作で大金を持ち逃げしたレントンが20年ぶりに故郷エディンバラに戻り、かつての仲間に会うところから物語が始まる。20年の歳月が生み出すビタースウィートな感覚と、相変わらず不器用でアウトサイダー的な生き方しかできない彼らの生き様が、「スラムドッグ$ミリオネア」でアカデミー賞撮影賞を受賞したアンソニー・ドッド・マントルのカメラによって映し出される。「オリジナルのファンを絶対にがっかりさせたくなかった」という監督の言葉通り、相変わらず大胆で挑発的、かつノスタルジックには終わらない、20年後ならではの深さを持った作品となった。

 評価は分かれたものの大きな話題を呼んだのが、コンペ作品の「The Dinner」だ。「ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度」のオーレン・ムーバーマンが再度リチャード・ギアと組み、ヘルマン・コッホのベストセラー「冷たい晩餐」を映画化。政治家の兄と教師の弟、それぞれの妻たちの2組のカップルが贅沢な晩餐を取り囲むなかで、彼らの子供たちの秘密が暴露され、究極の選択を迫られる。舞台をアメリカに移し、若者たちによる暴力や貧困問題を反映した内容ゆえに、記者会見ではトランプ大統領の名前も出てヒートアップ。「もし晩餐を催すとしたら誰を招待したいか」という記者の質問にリチャード・ギアはすかさず、「僕はトランプ大統領に招待されても行かないよ」と答えると、会場には賛同の笑いが起こった。ギアはさらに「トランプの大統領就任以来、ヘイトクライムが増加している。この映画のテーマでもある、恐怖を煽ることがおぞましい事件の要因になるということが、まさに現実に起こっている。(中略)でも我々は誰もがこの地球上に一緒に暮らしているのだから、お互いを祝福し、愛し合うべきなんだ」と語って、会場は大きな拍手に包まれた。(佐藤久理子)